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映画ノート

【映画】華麗なるギャツビー(1974)

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華麗なるギャツビー(1974)
The Great Gatsby

記事が追いつきませんが・・
ヒンデンブルグ』で出演者を調べたときに、主要キャストであるカール・ベルト役のウィリアム・アザートンが『華麗なるギャツビー』の主題歌の歌でクレジットされていたので確認したくなりました。
冒頭と終盤にラジオから流れる「What'll I Do?」を甘い声で歌うのがアザートンでしたね。

さて『華麗なるギャツビー
宮殿のような自宅で毎週末、派手なパーティを開く大富豪の正体は・・・と
レッドフォード演じるギャツビーの謎に迫るのですが
なんともやるせない映画でした。

好景気に沸いた狂乱の1920年
金持ちは絢爛豪華に暮らしていて、ギャツビーはその代表と思いきや
実は貧しさゆえに恋に破れ、愛しき元恋人に認められようと
必死にのし上がってきた男だったんですね。

先に書いた「やるせない」というのは、ギャツビー視線でみた感想。
良からぬ仕事にも手を出し、財を成したギャツビー
愛しのデイジーミア・ファロー)との再会を果たしたものの、その顛末があまりに悲しいではないですか。

原作はF・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー
「グレート」が「華麗なる」になったのは、見目麗しきレッドフォードを使ったからなのか。
フィッツジェラルド的には、おそらく「グレート」は「愚かな」の反意語的に用い
空虚な時代を皮肉ったのではないかしら。

デイジーの最後の台詞にはがっかり通り越して腹が立つし、そんなデイジーと同じように金持ちになって、再び愛されたいと願ったギャツビーが本当に哀れだった。
デイジー側も、ギャツビー側も時代に翻弄されたと言えばそれまでか。

観終わって、冒頭部分を見返すと
画面には最初には気づかなかった虚しさが漂っていました。
豪華と思えたその屋敷にすでに人気(ひとけ)はなく
ラジオから流れる「What'll I Do?」は、ギャツビーの戸惑いを歌っているようにも聴こえるね。霊魂となって彷徨いながら・・・。


THE GREAT GATSBY- WHAT'LL I DO (Song Written by Irving Berlin 1923)