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映画ノート

【映画】ヴァイラス(1998)

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コロナが世界中に広がりを見せる今日この頃
日本はクラスター発生が群発してますが、相対的な勢いは弱まりつつあるのかな。
政府の自粛申請が功を奏している格好でしょうか。

今日紹介するのはジョン・ブルーノ監督による1998年の作品『ヴァイラス』。

 

ヴァイラス(1998)
Virus

ドナルド・サザーランド扮するエバ―トン船長率いる運搬船シースター号が南洋航行中に台風に遭遇。積み荷を流され全財産を失った船長は失意から自殺を図ろうとするが、その時クルーが海上に船舶を発見。近づいてみるとそれはロシアの衛星探査船ボルコフだった。しかし何故か船内は荒らされひとけがない。
「難破船をロシア政府に引き渡せば莫大な報酬が得られる」としてボルコフ号を再始動させるクルーだったが、そこには想像を絶する危険が潜んでいた
ってな感じでね。

わたくしその「危険」というのが恐ろしい病原菌の類で
まさにタイムリーなウィルス・パニック映画と思い込んでいたんですわ。えぇ、勝手に。

でも・・違ったやん。。笑

 

まずこれ完全なるSFの範疇で、探査船を襲ったのが世界征服を狙う知的生命体なんだと。
面白いのはこの電磁波宇宙人(?)は肉体を持たず、探査船内の死体やら機械やらあらゆるものを使って実体を作り上げていくところ。しかも奴らは人間を「絶滅させるべきヴァイラス」として攻撃してくるからたまったもんじゃない。

人間がウィルスと闘う話だとばかり思っていたのだけど、これは人間がウィルスとして駆除される話だった。今の時代に作られたら「それも良かろう」とあきらめムードにも浸りそうだが、90年代はまだ人間に勢いがある。
かくして宇宙人VS人類 生き残るのはどっちだ!なサバイバル戦が展開するのです。

B級映画と言えばそれまでだし、どうしても『エイリアン』や『ターミネーター』などを思い出すが、クルーにジェイミー・リー・カーティスやウィリアム・ボールドウィンらを揃え、キャラを生かした闘いっぷりが思いのほか面白い。
欲の皮が突っ張ったドナルド・サザーランドの成りの果てには笑うしかないが、彼はベテランなのに嬉々としてこういう役を演じてしまうところが好き。

嵐のシーンから始まり、この時代には存在しなかったドローン似の機械にお仕事させたり、様々なシーンの視覚効果もなかなかのもの。
ターミネーター2』や『トゥルーライズ』などの視覚効果を担当したビジュアル・エフェクト・アーチスト、ジョン・ブルーノの監督のデビュー作と知って納得したのでした。