しまんちゅシネマ

映画ノート

クリムゾン・リバー

guchさんがはてなで紹介してくれたフランス産のミステリー映画。

早速観ました。

クリムゾン・リバー(2000)

Les Rivières PourpresThe Crimson Rivers(英題)

 

【あらすじ】

フランスのアルプスの麓にある大学街ゲルノンで、体中を鋭利な刃物で切りつけられ、胎児のような格好をした遺体が地上50mの崖から発見される猟奇殺人事件がおき、パリからニーマンス警視が派遣される。時を同じくして、近くの田舎町サルザックで墓荒らしが起こり、駐在員のマックス警部補が捜査にあたる。

 

【感想】

ジャン・レノ演じる敏腕警視ニーマンスが追う猟奇連続殺人事件と、ヴァンサン・カッセル演じるマックスが担当する田舎町の墓荒らし、何の関係もなさそうなふたつの事件が並行して起こり、やがて繋がっていく。

 

ナチ残党など出てこないのに『ブラジルから来た少年』を思わせるストーリーが面白く、ヨーロッパにはいまだにナチスの爪痕が残っているのかとゾっとする。

ただ、映画としては多くを説明しないので、そうした歴史を知らないとついていけない人も多いかもしれない。

 

主演2人は実にいい。

監督はマチュー・カソビッツということで、まずは常連のヴァンサン・カッセルを魅力的に使ってます。短気で一見いい加減に仕事してそうに見えるマックスは、実は勘が鋭くデキるやつ。かたやジャン・レノ演じるニーマンスは事件の解決は一人で事足りるであろう孤高な天才刑事。そのニーマンスもやがてマックスを認め、互いに信頼を置いていく過程がいい。手に汗握るアクションでも魅せてくれます。

 

ニーマンスの唯一のウィークポイントが「犬が怖い」ことで、その理由が明かされるのを楽しみにしていたのだけど、最後、音のないエンディングでマックスとの友情を深めるシークエンスとして使われていてウケてしまった。

エグい物語をこう〆るかと笑ってしまったけれど、そのほのぼのな感じにホッとできるのがいい。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/クリムゾン・リバー