窓・ベッドルームの女
『L.A.コンフィデンシャル』のカーティス・ハンソン監督によるクライム・ミステリーです。
窓・ベッドルームの女(1987)
The Bedroom Window
【あらすじ】
建設会社に勤めるテリー・ランバート(スティーヴ・グッテンバーグ)は、上司コリンの妻シルビア(イザベル・ユベール)に心を奪われ、あるパーティの晩、ついに彼女と関係をもつ。しかしその夜、女性(エリザベス・マクガヴァン)が暴漢に襲われる事件が発生。助けを呼ぶ声に気づいたシルビアは男がその場から走り去るのを目撃してしまう。そのあとすぐに現場近くで婦女暴行殺人事件が起きたことから、テリーは同一犯の犯行ではないかと疑いを持つ。シルビアも責任を感じ始めるものの、不倫の発覚を恐れ警察で証言することはできないと拒否。テリーは自分が見たことにして警察に通報するが・・
【感想】
暴行未遂事件を目撃してしまった男女が、警察に通報したことから事件に巻き込まれていくさまを描く作品です。
"暴行事件を目撃してしまった男女”と書いたけれど、正確には犯人の姿を見たのはシルビアだけで、犯人を見てないテリーが証言しようとするから話がややこしい。細かく追及されるとほころびが出てしまい、曖昧な証言を繰り返すうち、警察に疑いの目を向けられる始末。グッテンバーグの好奇心と優柔不断さが事態を悪化させる展開はうまい。
窮地に追いやられたテリーはよせばいいのに、自ら犯人に接近して確かな証拠を得ようと奮闘。
邦題が『窓・ベッドルームの女』なので、てっきりユペールが主役で、グッテンバーグとともに犯人探しに奔走すると思いきや、途中からテリーの相棒はエリザベス・マクガヴァン演じるデニーズにシフト。囮作戦に突入するとスリルが加速する。
素人探偵劇が楽しい作品ではあったのだけど、一つ残念なのはテリーのシルビアへの思いがおざなりな点だな。あの状況で簡単にデニーズに移行できるもんかね。
80年代に大活躍したスティーヴ・グッテンバーグの優柔不断ながら一生懸命ないい人っぷりにごまかされるけれどね。
それにしてもこの時代のユペールは美しい。
シルビアの夫でありテリーの上司コリンを演じたポール・シェナーは、豪快な中に秘かにテリーとシルビアの仲を疑ってるであろう所作を見せていて印象的でした。