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映画ノート

【映画】ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

ゴールデン・グローブ賞が発表されましたね。
おおかたの予想と少し違う結果だったようにも思いますが、アカデミー賞はどうでしょうね。

私はというと、前年度のオスカー関連作品をやっと観ているところでして
今日は作品賞、脚色賞、主演女優賞など7部門にノミネート(衣装デザイン賞を受賞)された『ストーリー・オブ・マイライフ』の感想を。

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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 (2019)
Little Women


【ストーリー】
1869年、マーチ家の次女ジョーはボストンの実家を離れ、一人ニューヨークに暮らしている。家庭教師をしながら、小説家になるべく執筆活動に励むジョーは、家族で過ごした故郷ボストンでの日々を回想する。

 

アメリカの女性作家ルイーザ・メイ・オルコットの自伝的小説『若草物語』を、グレタ・ガーウィグが監督/脚本し、映画化した一本です。

今回ジョーを演じるのは、初監督作品の前作『レディ・バード』でも主演したシアーシャ・ローナン。『レディ・バード』はグレタ嬢の半自伝的作品と言われていて、シアーシャの動きがグレタを思わせるところがあったのだけど、本作のジョーもどこかグレタっぽさを感じるところがあるんですよね。

おそらくですけど、グレタは 物書きとして自立しようと頑張るジョーに自身を重ねたんじゃないかな。

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女性が自身の力で経済的に自立するのが困難だった時代に、小説家として成功したジョーは男性社会である、アメリカの映画監督業界で奮闘するグレタ、そのもの。
だからニューヨークの街を颯爽と駆け抜けるジョーにもグレタを感じるし
ラストシーンで『若草物語』を装丁する過程を丁寧に見せ、満足げにほほ笑むシアーシャには、グレタの映画人としての達成感みたいなのを感じ、清々しいものがありました。

せわしなく時間軸が交錯するのは、序盤、わかり難いと感じたけれど
姉妹それぞれの成長や変化を意識しやすかったので、それもありかな。

最近は水彩画に興味を持っていて
映画のワンシーンを素敵に描けるようになりたいと思ってるんですが
本作には描きたいと思う美しいシーンがいっぱい出てきて、心が躍りまくりました。

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女性好みかもしれないけれど、個人的には、『パラサイト~』や『1917 命をかけた伝令』よりも本作が好き。
満足な一本でした。

 

映画データ
製作年:2019年
製作国:アメリ
監督/脚本:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナンエマ・ワトソン/フローレンス・ピュー/エリザ・スカンレン/ローラ・ダーンティモシー・シャラメメリル・ストリープ/トレイシー・レッツ/ルイ・ガレルクリス・クーパー