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映画ノート

キャメロット・ガーデンの少女


1997年(英/米)監督: ジョン・ダイガン 演: サム・ロックウェル / ミーシャ・バートン / キャスリーン・クインラン / クリストファ    ー・マクドナルド / ブルース・マッギル 【ストーリー】ケンタッキー州の裕福な人々が暮らす郊外の住宅地“キャメロット・ガーデン”。そこに越してきた10歳の少女デヴォンは、見かけだけの美しさを好む住人たちに馴染めず、森の中に住むバビヤガという魔法使いの空想を好んでいた。そんなある日、彼女は森にうち捨てられたトレーラーに暮らす青年トレントと出会う。彼に自分と同じ匂いを感じたデヴォンは、トレントと奇妙な友情を育むが...。
先日Kazさんのブログで紹介されていた作品です。
残虐的なストーリー展開でラストは衝撃的なファンタジー!それってなんだ?
というわけで、どうしてもラストを確かめたくなって観てみました (^^ゞ

■about movie
これははブリュッセル国際ファンタジー映画祭でグランプリ(金のカラス賞)等数多くの映画祭で評価を
受けた一作。
主演はコンフェッションサム・ロックウェルシックス・センスミーシャ・バートン

■感想
21歳の若さでありながら、芝刈りで生活する貧しい青年トレント(S・ロックウェル)に対し、
裕福なキャメロット・ガーデンの人々は冷たく、差別的です。
そんな裕福な住宅地に越してきた10歳のデヴォンは、内向的で空想的なちょっと変わった少女。
ところが、人形の腕をちぎったり、飛んできたハエをクッキー生地に押し込んで焼いてみたり…。
なんとも残酷な一面が見え隠れします。
心臓手術を受けた経験のあるデヴォンはショットガンで打たれて死にかけたことがあるトレント
親しみを感じ、次第に友情が芽生えてくるのです。

弱者を差別する人間の醜さや、無知から来る残酷な行い。そんな人間の残虐性を盛り込みながらも
トレントとデヴォンの不思議な友情は、どこかピュアではかなげ。
ブロークバック・マウンテン」を思い起こさせるようなアコースティックギターの音色とともに
何故か心に響きます。

これ、Kazさんのレビューで聞いていたとはいえ、最後の最後まで、何がどうファンタジーなのか
全く理解できませんでした。しかもファンタジー映画祭に出品される作品なのか???

ところが、なんと。やはり最後に来ました。いきなりのファンタジーです。
これ、唐突といえば唐突。(笑)
でも、ファンタジー好きにはたまらないかな。
ドロドロとした展開が一変。驚きの中に爽やかさを感じることができたのは、この作品の面白いところでした。

これ以上は書けません。気になる方はご自分の目でご確認ください。

サム・ロックウェルは締まった肢体で、橋の欄干から飛び込むシーンなどを披露してくれます。
粗野でナイーブな青年役がピッタリで好感が持てました。

不思議と心に残る一作ですよ。

★★★*☆