しまんちゅシネマ

映画ノート

デビルズ・バックボーン


2001年(スペイン) 監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ   製作:ペドロ・アルモドバル  出演:エドゥアルド・ノリエガ/マリサ・パレデス/フェデリコ・ルッピ/フェルナンド・ティエルブ イレーネ・ビセド 【ストーリー】激しい内戦が続くスペイン。人里離れた荒野に建つサンタ・ルチア孤児院。中庭に大きな不発弾が突き刺さったままのこの孤児院にある日、12歳の少年カルロスがやって来る。幼児を漬けたラム酒を飲む老牧師や義足の女院長など不気味な大人たちが少年を迎え入れる。彼に与えられたベッドは“12番”。それはある日を境に行方不明となったサンティという少年が使っていたベッドだった。その日から、カルロスは奇妙な囁き声や物音に悩まされるようになる。やがてカルロスはサンティの霊が何かを自分に訴えかけていると感じる。恐怖に怯えながらもサンティをめぐる秘密に興味を抱くカルロスだったが…。
■感想
ここに来てアカデミー前哨戦に名前を現し始めた「パンズ・ラビリンス
昨年暮れ(12/29)に全米限定公開させてから、怒濤のブレイクのようで気になるところ。
スパニッシュ作品なので、アカデミー作品賞はなしでしょうが、外国語賞の行方が怪しい?

今日はそのギレルモ・デル・トロ監督の作品を放送してたので観てみました。
この作品、デル・トロ監督が「バッド・エデュケーション」のペドロ・アルモドバルに招かれスペインで撮り上げた哀しきホラー・サスペンスだそうです。

だいたいこの監督さんホラーが専門分野とのこと。
しっかり幽霊(泣)が出てくるホラーではあるものの、全編に流れるもの哀しいトーンがいいです。
変に怖がらせるだけのホラーではなく、ミステリー要素を味わえる作り。

孤児院に新しくやって来たカルロス少年の前に、
かつてその孤児院に暮らしていた少年サンティの霊が現れます。

サンティが伝えたかったこととは何だったのか・・・、次第に謎が解明されていきます。
スペイン内戦のさなかにある大人たちの欲望が哀しいです。
孤児として暮らす子供たちがみんな基本的にいい子で、一致協力する様が切なく可愛かったです。
色んな要素が詰まって、意外に見応えのある一作でした。
映像も素晴らしい。重厚感のあるダークな色調。
外の乾いた黄色い土、抜けるような青い空との対比も美しい。
亡霊サンティのメイクはちょっと怖いですが、
頭から血を流しながら水の中に入れられ死んでいった少年。
亡霊の彼はまるで水中に血が流れ出しているかのように、地上をさまようのです。
これは説明しがたい。ぜひ観て欲しい(笑)

怖いというよりも哀しくて最後は泣けてしまいました。
これも戦争の落としていった傷跡なんでしょうね~。
機会があればどうぞ。


★★★*☆

ちなみに「パンズ・ラビリンス」にもこんな変なやつがでてくるようで、、やはりホラーですね。