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映画ノート

インファナル・アフェア 無間序曲


2003年(香港)監督:アンドリュー・ラウ 出演:エディソン・チャンショーン・ユーアンソニー・ウォンエリック・ツァン    カリーナ・ラウ/フランシス・ン 【ストーリー】1991年、香港マフィアの大ボス、クワンが暗殺された。だが配下のボスのひとり、サムだけは造反を目論む4人のボスたちをよそに唯一静観を続ける。実はこの暗殺は、サムの出世を願う妻マリーが夫も知らぬ間に手下のラウへ命じたものだった。そんな彼女に叶わぬ恋心を抱くラウはやがて、サムによって警察学校へ送り込まれる。一方、組織犯罪課のウォン警部は、クワンの私生児であることが発覚して警察学校を退学処分になったヤンを組織へ潜入させることに。こうしてラウとヤンの2人は、92年、気づかぬうちに互いの人生を交差させていくのだった…。
■感想
インファナル・アフェア第2弾。これはまさに前作の序曲です。
マフィアの大ボス一家、配下のボス、サム、そしてウォン警部の壮絶な過去とともに
ヤン、ラウ二人が潜入に至る経過が描かれます。

前作の10年前にさかのぼるとあって、アンディ・ラウトニー・レオンに変わり
ラウ、ヤンには若き俳優エディソン・チャンショーン・ユー

この続編がなくても映画として十分に楽しむことのできた「1」はあっぱれなのですが、
それぞれの過去が分かれば、人物に一層の深みが出てくるというもの。

前作のように、ドキドキ感やストーリーの完成度に驚くという作品ではなかったものの
互いの宿命、家族愛など人間関係は実に丁寧に描かれていたと思います。

対立するマフィアのボス、サムとハウの攻防、家族愛の描き方も見応え十分。
でもこの二人、谷啓萩原流行に見えてしまうのは私だけ??(笑)

愛する家族を犠牲にし、あるいは裏切り、愛するものや親友を死なせてしまった過去。
登場人物それぞれには、こんな心の傷があったのですね~。

「1」でオーディオショップでラウとヤンが出会ったときに二人で聴いたあの曲が
実はこんな思い出の曲だった。。そう思うと余計切なく聞こえてきます。

この作品も音楽がとってもいいですよね。
中国への返還の時期という時代背景も興味深い物がありました。

ラウ、ヤンにとっての恋愛模様を予感させる見せ方に、次回作への期待も高まります。

しかしながら、罪を冒したものたちに無限に続く心の闇。。
最終章はどうなっちゃうんでしょうか。楽しみです。


★★★*☆