しまんちゅシネマ

映画ノート

つぐない


2007年(イギリス)監督:ジョー・ライト原作:イアン・マキューアン『贖罪』(新潮社刊)出演:キーラ・ナイトレイジェームズ・マカヴォイロモーラ・ガライシアーシャ・ローナン/ブレンダ・ブレシン    ヴァネッサ・レッドグレーヴ/パトリック・ケネディ/リーオン・タリス/ベネディクト・カンバーバッチ【ストーリー】1930年代。戦火が忍び寄るイギリス。政府官僚の長女に生まれた美しいヒロイン・セシーリア。兄弟のように育てられた使用人の息子ロビーを身分の違いを越え、心から愛してると気付いたある夏の日、二人の愛は小説家を目指す多感な妹ブライオニーのついた哀しい嘘により引き裂かれることとなる。
■感想
GG作品賞受賞の「つぐない」観てきました。原作はイアン・マキューアン
受賞後最初の週末ということもあってか、観客も結構入ってました。


美しいヒロイン、セシーリアを演じるのはもちろんキーラ・ナイトレイ
使用人の息子ロビーと口論となり誤って落とした花瓶を取りに噴水に飛び込むセシーリア。
下着姿で噴水から上がった姉の姿を窓から見てしまった妹ブライオニー。

その後セシーリアに謝罪の手紙をしたためたロビーはブライオニーに手紙を渡してくれるように頼むのですが、
その手紙はロビーがふざけて書いたもので、謝罪の手紙と間違えてブライオニーに渡してしまったのです。
その後間違いであったことを話し、セシーリアとの関係は修復。
二人は互いに愛し合っていることに気付くものの、ブライオニーは不信感をもったまま。

そんなときに屋敷にある事件が起こり、ブライオニーは犯人はロビーであると嘘の証言をしてしまい、
ロビーは投獄されることになります。そしてそのまま戦地に赴くこことなり…。

その夏生まれたばかりの美しい愛は、妹ブライオニーによって、見事に引き裂かれてしまうのです。

「Come back to me.」とひたすらロビーの帰りを待つセシーリア。
愛し合うふたりは、再び愛を紡ぐことが出来るのでしょうか。。



キーラは貧乳がやけに目立っちゃったな。あ,そういう感想じゃダメですか。

うーーん、この作品、キーラとマカヴォイの激しい恋愛ものと思っていたら、ちょっと違いました。
主演はむしろキーラよりも妹ブライオニーかも。


ブライオニーは少女時代、娘時代、そして晩年と3人の女優が演じます。

哀しい嘘をついてしまった少女時代のブライオニーは特に鮮烈なイメージを残しますが、
なんといっても存在感があったのは晩年のブライオニーです。

最後の最後になって、私たちはタイトル「つぐない」の意味を知ることになるのです。
ここで一気に涙が溢れました。

ヒロインはキーラじゃなくても、、なんて思いながら観ていたのだけど、ここにきて、
「あー、キーラじゃないといけなかったかも」と思ってしまいます。

嘘と時代に放浪されたキーラとマカヴォイの悲恋は哀しいものでした。
でもそれ以上に哀しく、タイトルの意味をしみじみ噛み締めることになるこのラストで、
作品の重みが一気に増しました。
ヴァネッサ・レッドグレーヴは、わずか数分の演技ですが、その絶大な存在感には脱帽です。
やはり大女優なのですね。


時間軸が微妙にずれていたり、想像の世界を組み込んだりする構成も面白かったですね。
音楽も美しく、終わったあと余韻に浸ってしまう作品でした。


日本公開は春です。ってもう春?(笑)


★★★★☆