しまんちゅシネマ

映画ノート

レミーのおいしいレストラン


オスカー特集5日目。長編アニメ賞!!

今年ノミネートされたのは
レミーのおいしいレストラン』『ペルセポリス』『サーフズ・アップ』の3作。

ペルセポリス』も興味のあるところですが、今年はディズニー製作の『レミーのおいしいレストラン』が強そうですね。

2007年(米)監督:ブラッド・バード声の出演:パットン・オズワルトレミー)/ブライアン・デネヒー(ジャンゴ)/ブラッド・ギャレット(グストー)ジャニーン・ガロファロー(コレット)/イアン・ホルム(スキナー)/ピーター・オトゥール(イーゴ)ルー・ロマノ(リングイニ)【ストーリー】天才的な料理の才能を持ち、いつか一流レストランのシェフになるという叶わぬ夢を持つドブネズミのレミー。ある日、彼は嵐で家族とはぐれてしまい、パリのとある一軒のレストランに辿り着く。なんとそこは、レミーが尊敬する今は亡き名シェフ、グストーの店だった。一方その厨房内では、見習いシェフのリングイニがスープを台無しにする失態を演じてしまう。すると、レミーはこっそりとそのスープを作り直し、最高の味に仕上げるのだった。それを目撃していたリングイニは、自分に料理の才能がないことからレミーの力を借りることを提案。こうして彼らは秘かにコンビを組み、パリ一番のシェフを目指すことになるのだが…。
■感想
普段アニメをほとんど観ないもので、たまに観ると映像技術に驚かされますね。
昨年、大ヒットを果たした本作は、優れた嗅覚で食べ物の中身を鼻で言い当てることが出来るネズミのレニーのお話です。

パリ一番のシェフになりたいネズミ(笑) 発想が奇抜ですね。

ネズミがレストランで食べ物を作っちゃうの?? って、普通に思っちゃいますよね。
同じくディズニーの大スター、ミッキーマウスのように完全に擬人化されたキャラクターならともかく、
レミーはパリに住まうどぶネズミ。彼らには彼らの世界があり、人間に忌み嫌われる存在として描かれます。

それでもレミーは、シェフになりたいという夢を持っているというのが面白いし、
誰もが偏見を持つ中、レミーを受け入れるリングイニの存在も貴重です。

自由でオープンな心、良いものは良いと認める心って大事。

彼も途中、実力以上の名声に溺れかけるものの、やがてありのままの自分を受け入れるのです。
アニメの世界に慣れてない私は、彼の成長物語に違いないと思ってましたが、主役はやっぱりレミー(笑)
でもリングイニくんもその素直な心で、やがては立派なシェフになってくれるに違いありません。(希望的推測w)


ピーター・オトゥールが声を担当した、料理批評家の役割も大きかったですね。
美味しい料理に出会うことの歓びは、彼の批評家としての生き方を見つめさせるものでもありました。
大切な役の、大切な言葉を、ベテラン俳優の重みのある声で聞けて良かったなぁと思います。

レミーのキャラクターや動きがとっても可愛らしく、初めてパリの街を観て感動するシーンが心に残りました。

夢を持ち続けることの大切さと、誰にでも可能性はあるのだということを教えてくれる作品でした。
期待以上でも期待以下でもないけれど、大人も楽しめる仕上がりで、人気なのも分ります。



★★★★☆