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映画ノート

ヘアー


1979年(米)監督:ミロス・フォアマン出演:ジョン・サヴェージトリート・ウィリアムズ/ビヴァリー・ダンジェロ/アニー・ゴールデンドーシー・ライト/ネル・カーター/グランド・ブッシュ【ストーリー】ベトナム戦争中の60年代、徴兵されたオクラホマの青年クロードは、入隊前の2日間を利用して大都会ニューヨークを訪れた。彼はそこで、バーガーをリーダーとするヒッピーのグループと知り合い、すぐに意気投合。またクロードは一方で、上流階級の娘シーラと出会い、彼らは互いに惹かれ合っていくのだった。こうして楽しい2日間が過ぎ、米軍キャンプでの訓練に臨むクロードだが…。
■感想
カッコーの巣の上で」「アマデウス」のミロス・フォアマン監督によるブロードウェイのロック・ミュージカルの映画化で、
ベトナム戦争中の60年代を背景に、徴兵前のひとりの青年とヒッピーたちの交流を描きつつ、反戦を謳った作品です。


なんてパワフルな映画なんでしょう。
ミュージカルちょっと苦手‥なんて言葉は吹っ飛びます!

徴兵前の二日間を利用してニューヨークを訪れたオクラホマの田舎青年クロード(ジョン・サヴェージ)が目にするのは、
セントラルパークに集う若者たち。ミュージカルシーンのトップを飾るのがアクエリアス
「40歳の童貞男」だ~!! といきなり感動(笑)

体制に従い、ベトナムに赴こうとするクロード。
片や金も仕事も持たず、髪を伸ばし自由を求め、体制に抗い続けるヒッピーたち。

ともに過ごしたのはわずかに2日間。
キャンプ地ネバダでの訓練を開始したあともバーガーたち、そして心惹かれた上流階級の娘シーラのことが忘れられず
その思いを手紙にしたためたクロード。
手紙を受け取り、クロードに会いにキャンプ地を訪ねるバーガー一行とシーラ。
再会を喜ぶのもつかの間、アッと驚く衝撃的なラストが待っていました。

これは反戦映画でもあるのですが、ミュージカルとしても非常にレベルが高いのではないでしょうか。
歌われる楽曲、歌声も素晴らしく、踊りも凄い! これは日本人には到底追いつかないレベルですね~。

刑務所内の狭い通路で踊るシーンは「ヘアースプレー」のワンシーンを彷彿とさせます。

歌のシーンも【歌で会話する】という苦手なスタイルではなく、BGM的に歌われたり、ダンスシーンとして独立してる感じで
違和感なくパフォーマンスを楽しむことができます。
マリファナでいっちゃってるクロードがみる白昼夢のシーンでは、幻想的な映像とダンスが繰り広げられワクワクもの。

タイトルの「ヘアー」はヒッピーたちが長く伸ばした髪。【自由の象徴】であるのかもしれません。

ミュージカル嫌いな方にもお薦め出来る見応えガッツリな作品でした。



★★★★☆