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映画ノート

アトランティスのこころ


2001年(米)監督:スコット・ヒックス原作:スティーヴン・キング出演:アンソニー・ホプキンスホープ・デイヴィスデヴィッド・モースアントン・イェルチン/ミカ・ブーレムアラン・テュディック/アダム・ルフェーヴル/トム・バウアー/セリア・ウェストン【ストーリー】写真家ボビーのもとに幼なじみの訃報が届く。生まれ故郷に戻ったボビーはそこで、過去の出来事を思い起こす。それは1960年の夏。11歳のボビーは友だちのキャロルとサリーの3人で楽しい毎日を過ごしていた。そんなある日、彼と母親が二人で住む家の二階に新しい下宿人テッドがやって来た。知的で物静かなその老人にはある不思議な力があった。父を早くになくしたボビーは、そんなテッドに特別な親しみを感じていく。しかし、テッドはその不思議な力のために謎の男たちから狙われていた。そして、男たちはすぐそこまで迫っていた……。

3つ塗りつぶせ! スティ―ヴン・キング原作作品!

早速いきます。トップバッターは不思議な力を持つ老人と少年との心の交流を描いた、ちょっとファンタジーな一本です。

11歳の誕生日を迎えたボビー(アントン・イェルチン)は、下宿人としてテッドと名乗る老人を迎え入れます。
テッド(アンソニー・ホプキンス)には人の心を読み、未来を見ることが出来る、不思議な力が備わっていたのです。

テッドは、「見かけぬ男たちが、近くに来たらおしえて欲しい」とボビーに頼みます。
何者かに追われているらしいテッドを不思議に思いながらも、幼い頃に父親を亡くしたボビーにはテッドは特別な存在となっていくのです。


物語りの最初から、テッドの持つ能力、そして彼を追う謎の存在に引き込まれます。

アンソニー・ホプキンス演じるテッドはその能力故に、おそらくは世間に身を潜め生きてきたのでしょう。
「普通と違う」ものを排他しようとする人間の残酷さを感じる部分でもあります。

やがて明らかになる【テッドを追う謎の存在】にもなるほど、と唸りました。

友人の葬儀に出席するために久々に故郷アトランティスを訪れた大人になったボビーを演じるのはデヴィッド・モース
少年時代の不思議な体験を振り返る彼には、【守るべきものを守れなかった】ことへの後悔の念も。

ちょっぴりほろ苦い郷愁を感じつつも、「心の瞳を開く」ことを教えられた少年の成長に清々しさを感じる作品でした。

地味ですが、いいですね。





★★★★☆