しまんちゅシネマ

映画ノート

血ぬられた墓標


ハロウィン・ホラー祭り 19本目! イタリア発怪奇映画『血ぬられた墓標』

1960年(イタリア)監督:マリオ・バーヴァ出演:バーバラ・スティール/ジョン・リチャードソン/イヴォ・ガラーニ/アンドレ・チェッチ
■感想
ホラー映画祭りも19本目! 明日の最終日の1本を残すところとなりました。すご^^;

今日はイタリアのマリオ・バーヴァの監督第一作目にあたるゴシック・ホラーを。
婆ぁ‥もとい、バーヴァはイタリア怪奇映画の父と言われる監督さんらしい。
そもそも無声映画期の特殊効果撮影のパイオニアとのことで、この映画もユニークな特撮が見物でした。

お話は
18世紀のはじめ、バルカン地方では魔術が横行。
時の為政者はこれを憂え、魔術を行なったものを極刑に処した。
王室の1族の王女とその恋人の青年貴族といえども例外ではなく王女は魔女として刑に処されることに。
処刑にあたり、王女は自分たちを処刑する兄の王をはじめ、1族に永劫の呪いをかけて死んでいきます。


冒頭、この処刑シーンから始まるんですが‥
王女に裏に長い棘のついた仮面をかぶせ、ガツンと槌を振るうんですわ^^;
『ソウ』の冒頭はここから来てるんじゃないの?(汗)

さて、1世紀ほどたった1830、学会のためこの地を訪れた医者とそのアシスタントが
偶然入った森で崩れかけた礼拝堂に眠る王女の石棺をみつけます。
そこでアクシデントから怪我をした医者の血が王女を甦らせてしまうんですね。
魔女は呪いを実行し始め、一族を次々に殺害、ひ孫にあたる王女カチアの身体をのっとっちゃいます。

魔女と美しい王女カチア、二役を演じるのはこの映画でブレークした(らしい)バーバラ・スティー
正反対の役を好演ですが、、
とにかく石棺から甦る直前のお顔が恐くて、思わず「ヒッ!@@」って声が出ちゃったわ。

魔女が甦るシーンや、お墓から死霊が出て来るシーン、十字架に弱いところなど
映画としてはゾンビと吸血鬼のミックス的な感じかな。

個人的に好きだったのが、医者の助手と王女カチアのロマンスを入れてる点!
カチアに一目惚れした助手は、必死こいて魔女の手から王女を救おうとするんだけど
気絶してるカチアの豊満な胸元に目が釘付けになっちゃったり(笑)
それどころじゃないだろっていう演出が実に面白い。二人のシーンは何気にさわやかな音楽が流れたしねw

魔女にのり移られたカチアの、マントの下のあばら骨のみとなった朽ちた胸元を見た時には
「カチアのオッパイをどこへやったんだーー!!」とばかりの嫌悪のお顔。これも最高w

とは言え、墓から甦った死霊が医者を馬車で迎えにいくシーン、
石棺の中で王女の目玉が戻るシーンなど、恐怖映画としてもゾクゾクとさせてくれました。

今見るとB級テイストなんだけど、特殊撮影もなかなかのもので、これは面白かったです。


★★★*☆