しまんちゅシネマ

映画ノート

ヒューゴの不思議な発明


 
ヒューゴの不思議な発明(2011) アメリ
監督:マーティン・スコセッシ
出演:エイサ・バターフィールドクロエ・グレース・モレッツベン・キングズレージュード・ロウ
クリストファー・リーサシャ・バロン・コーエン
 
原作はブライアン・セルズニックの冒険ファンタジー小説ユゴーの不思議な発明』ということですが
これどうなんだろ。
原作を知らないのでなんとも言えないんだけど、映画はファンタジーではないんですよね。
そして『ヒューゴの不思議な発明』という邦題にも「??」。ちなみに原題はただの『Hugo』
 

1930年のパリ。
主人公のヒューゴ(エイサ・バターフィールド)は美術館に勤める父親(ジュード・ロウ)と二人暮しの少年。
ジュードと二人暮らし したい! って、ちゃうヾ(*>∀<)ノ゙
彼は父親が持ち帰ったからくり人形の修復完成を楽しみにしています。
ところが父が突然の事故死をとげ、孤児となったヒューゴは、駅の時計台に隠れ住みながら
父が残したからくり人形の修復に取り組むんですね。
そのことは、ある秘密を知ることになる・・というお話。
 
この映画ね、あまり宣伝もしてなかったのに、公開されたら
こんないい映画だったの?ってびっくり。 大感動の作品でした。

駅の構内の様々な人の人間模様を映し出す冒頭から
すでに群像劇がはじまっていて、そのレトロで楽しい映像にワクワク。
からくり人形に関する秘密をたぐっていくことで
私たちは、思いがけない事実にたどり着くんだけど
そこにスコセッシの大きな映画愛を感じるんですよ~。
 
スコセッシは近年、古い映画の修復に努めているというのは
何かのDVDのCMの中で、スコセッシ自身が語っていたのを聞いたことがるけど
彼が古い映画をデジタル化し修復するのは、美しいものを残したいから。
それはフィルムを否定しているわけではないんだということを改めて感じます。
 
映画の歴史を辿り、古い映画の素晴らしさを教えてくれるけど
スコセッシは3Dという新しい映画技術でもって、それを描いているところに
スコセッシなりの意図を感じるところでした。
からくり人形を動かす鍵がハート型なのも、なんかいいよね~。
 


ヒューゴを演じるエイサ・バターフィールド君の上手いこと。
彼を助けるイザベルに『キックアス』のクロエ・グレース・モレッツ
そのおじいちゃんで、がんこな雑貨屋の主人にベン・キングズレー
ヒューゴのパパにジュード・ロウです。
サシャ・バロン・コーエンが駅構内を取り締まる足の悪い警官を演じ
ヒューゴの宿敵となるのだけど
サシャと獰猛な犬のコンビがユーモラス。
冒頭の駅構内の群像劇にも、しっかり結末を与えているのも
映画的でとっても素敵です。
一瞬だけどスコセッシ自身が登場するシーンがあるのでお見逃しなく。

古い映画のオマージュたっぷり。
誰にでも分かる形で描いているので、勿論古い映画を知らない私でも楽しめました。
 
ネタバレしたくないので、内容に触れない抽象的な記事になってるけど
これはもう観てもらうしかない。
子供映画やファンタジーはオスカーに絡み難いといわれてるけど
とにかくこれはファンタジーじゃないですから。
ある意味話題の『ジ・アーティスト』に通じるところがあるわけで、
今年は『マリリン~』ともに、ハリウッド映画への懐古を描く作品がオスカーを騒がすことになるかも。
これはデカプー使ってなくてよかったよ。
 
 
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  さんきゅ