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映画ノート

砂漠でサーモン・フィッシング

今日はエミリー・ブラントユアン・マクレガーを主演に迎え、
「中東イエメンで鮭釣りを!」というプロジェクトに取り組む人々の姿を描く、
ラッセ・ハルストレム監督の新作『砂漠でサーモン・フィッシング』。
日本では13年のお正月第一弾として公開が決まっているようです。






砂漠でサーモン・フィッシング
2011年(イギリス)
原題:Salmon Fishing in the Yemen
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:エミリー・ブラントユアン・マクレガークリスティン・スコット・トーマス
アムール・ワケド



イギリスの国立水産研究所に勤めるフレッド博士(ユアン・マクレガー)の元に
イエメンの大富豪の代理人ハリエット(エミリー・ブラント)から一通のeメールが届く。
それは「イエメンに鮭を放流したいが、協力してもらえないだろうか」というもの。
金持ちの冗談と、即座に「無理」と返信するフレッドだったが
中東との交友関係改善を模索する英国首相側のプレス(クリスティン・スコット・トーマス)が
「いいニュース!」と白羽の矢を立てたことから
フレッドは国の仕事の一環としてこの壮大なプロジェクトに加わることになる・・という話。


これね、劇場予告で観て、かなり惹かれたんですが、
早口イギリス英語の聞き取りに自信がなくてDVD鑑賞になりました。
でも凄く好みの作品で、これは劇場で観たかったぁ。




ユアン演じるフレッドは、釣り好きで純粋な心を持った学者。
はじめは突拍子もないと思えたプロジェクトだったけど、
イエメンの富豪モハメッドから話を聞いてみると
案外可能かと思い始め、プロジェクトに嵌っていく。

エミリー演じるハリエットとともに問題を解決していくうちに
彼女に惹かれていくんですが、ハリエットには付き合い始めて
間もない兵士の恋人がいる。しかし恋人はアフガニスタンに派兵され・・。

とまぁ、フレッドにも妻がいるわけで、主演2人の恋の行方を絡めながら
壮大なプロジェクトの進行をダイナミックに描く作りです。




モハメッドの夢も、単なる金持ちのたわごとでなく
平和的な思いのこもったプロジェクトなんですが
ハンドバッグを提げるように、普通に銃を携帯してる国の話だから(汗)
複雑な政治事情から、プロジェクトに異論を唱える輩もいて、
映画にサスペンスフルなドキドキを与えます。

純粋でひたむきなユアン、知的で自然体なエミリー
クリスティン・スコット・トーマスが男勝りなイケイケプレス長を演じ
これまでと違ったイメージで、コメディ部門を担当してるのも楽しく
キャストそれぞれが心情を判りやすく演じているのが凄くいい。

夢を諦めず、自分らしく生きるために頑張る人々を描いた
ラッセ監督らしい優しい作品でした。

★★★★