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映画ノート

ペーパーボーイ 真夏の引力




ペーパーボーイ 真夏の引力
(2012)アメリ
原題:The paperboy
監督:リー・ダニエルズ
出演:ザック・エフロンマシュー・マコノヒーニコール・キッドマンジョン・キューザックデヴィッド・オイェロウォ
7/27 公開決定




理想に燃える記者のウォード・ジャンセン(マシュー・マコノヒー)は、記者ヤードリー(デヴィッド・オイェロウォ)と実家で新聞配達を手伝う弟ジャック(ザック・エフロン)とともに、白人保安官殺害事件の調査を開始する。3人は恋人の無罪を信じる恋人のシャーロット(ニコール・キッドマン)を伴い、容疑者ヒラリー(ジョン・キューザック)と刑務所で接触を試みる・・。

保安官殺人事件の真相を追うミステリー小説をもとに
『プレシャス』のリー・ダニエル監督が、エロとバイオレンス溢れるスリラーとして仕上げた一本。

これね、今のとこ日本未公開だし、あまり世間の評価も良くないので
裏ブログで取り上げようと思ったんですが、観てみたら凄く面白いんで驚いてます。

まず凄いのがニコール・キッドマンですなぁ。
ケバいバービー人形のようないでたちで、エロを炸裂させるニコールは
役作りのために囚人を恋人に持つ5人の女性と会って話を聞き、イメージを作りあげたのだとか。




刑務所でヒラリーと面会する序盤で、ジャンセン兄弟とヤードリーの男三人のいる中、
ヒラリーのリクエストに応じ、脚を開きフェラの口真似wをするニコールには度肝を抜かれました。
海でくらげに刺された設定のザック君にオシッコをかけるシーンも実際にやってるようでちょっと引く。シャーロットは自分に正直で、ストレートに行動する女性。
そんなシャーロットに惚れてしまうのがペーパーボーイのジャック(ザック・エフロン)なんですね。

映画はヒラリーの証言を確かめるため、舞台を南部に移動する。
そこに60年代の緊張を盛り込みつつ、ジャックのシャーロットへの恋心が引き起こす事件を
スリリングに描く手法。

監督は製作予定だったマーティン・ルーサー・キング・Jrの映画が予算の都合でおじゃんになったこともあり、黒人差別問題を本作に盛り込んでるわけなんですが、そのことで保安官殺人のミステリーがおざなりになり、主眼がとっちらかった感は確かにあります。
けれども、この人がここまで!?という、キャストそれぞれの演技に圧倒されるし
今後カルト的な存在になっていく気がしますね。

危険な男ヒラリーに惚れて、人生を狂わす哀れな女を演じたニコールは
SAG助演女優賞にサプライズ・ノミネートされました。

日本公開、もしくはソフトリリースを強く希望します。

★★★★