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映画ノート

【映画】心霊ドクターと消された記憶


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心霊ドクターと消された記憶(2015)
オーストラリア
原題:Backtrack
監督/脚本:マイケル・ペトローニ
出演:エイドリアン・ブロディ/ サム・ニール /  ジョージ・シェヴソフ/ ロビン・マクリーヴィー/ クロエ・ベイリス


最愛の娘を亡くした悲しみから未だ立ち直れずにいる精神分析医のピーターのもとには奇妙な患者が訪れる。その一人エリザベス・ヴァレンタインという少女の出現はピーターを過去のある事実に直面させた。


【感想 
エイドリアン・ブロディ主演のミステリー・ホラーです。
エイドリアン演じる精神科医ピーターは娘を事故で亡くして以来不思議なものを見るようになる。
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邦題から想像がつく通りそれは幽霊なんですが
てっきり、霊能力のあるピーターが幽霊たちの悩みを聞いて
それぞれの問題を解決するゴースト・ウィスパーみたいな映画かと思ったらちょっと違いましたね。

不幸を身にまとわせたらピカイチのエイドリアン・ブロディ
本作でも不注意から娘を亡くし、妻からもジワリと責められお気の毒のところに持ってきて
幽霊にまでまとわりつかれるというどん底状態。
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やがてすべては20年前、故郷で起きたある事故につながることが分かってくるんですが
でもなぜピーターに?というところをミステリーに物語が展開します。

前半、徐々にホラー描写が過激になってCG丸出しのクリーピーなお化けを出してきたときには
ちょっと気持ちが離れそうになったけど、ピーターが事実を解明しようとするあたりから俄然面白くなりました。
心霊ホラーから、ピーターの封印された記憶を紐解く部分は一筋縄でいかないのでちょっとややこしいけど
サイコロジカルミステリーにシフトしていくのが面白く、さらに警察の捜査で謎を解明していくという犯罪ミステリーの側面も見事で期待以上に楽しめました。

エイドリアン・ブロディどん底ながらすべてに誠実であろうとする姿が
映画に優しさを与えていた気がしますね。

幽霊たちにそんな力があるなら自分たちで解決すればと思わないでもないですが
ピーターの心の平安なくしては家族の再生はないわけで
娘ちゃんは若くて死んでしまったのは可愛そうだけど、彼女はピーターの心を解き放つ使命を持って
生まれてきたのだなと、そんな風に感じさせてくれるのがよかった。

強調して描かれている部分(患者の靴下とか)は、のちに意味を持って再登場するので
記憶にとどめながら見るのが正解。


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水先案内を務めたサム・ニールも面白い描き方でした。
いつもおんなじ服だし・・


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