しまんちゅシネマ

映画ノート

マイライフ・アズ・ア・ドッグ


1985年(スウェーデン)監督: ラッセ・ハルストレム 出演: アントン・グランセリウス/ メリンダ・キンナマン/ マンフレド・セルネル/アンキ・リデン【ストーリー】イングマルはどんな時でも愛犬シッカンと一緒にいる男の子。人工衛星なに乗せられて地球最初の宇宙旅行者になったあのライカ犬の運命を思えば、どんな事だってたいしたことはないと考えるのが彼の人生哲学だ。兄のエリックにいじめられたって、病気のママがドジな自分を嘆き悲しんだって、パパがバナナの仕事で南洋の海に出掛けたままずっと帰ってこないことだって、決して不幸なことじゃない。しかし夏になってママの病状がひどくなった。そしてイングマルは叔父の家へ預けられることになるが……。
■about movie
ギルバート・グレイプ」「サイダーハウス・ルール」のラッセ監督のハリウッド進出前の作品です。
50年代末のスウェーデンの海辺の小さな町と山間のガラス工場の村を舞台に、悲劇的な要素を交えながらも、主人公の友人や村の人々との出会いを通して、人生を温かくユーモア豊かに描き上げます。

■感想
昨日に引き続きラッセ監督作品です。
スウェーデンの映画ってはじめて観たかなー。ちょっと今までにない雰囲気の作品でした。

主人公のイングマル君はやることなすこと、最悪の結果になってしまうドジな男の子。
でも、常に「もっと最悪なことも起り得たけど、このくらいで済んで自分はラッキー」と考える子。
楽天的~な印象だけど、こうでも考えないとやっていけないよね。ってくらい不幸な出来事が少年を
襲うんですね~。
一瞬ぐっと凹みそうになる自分をじっとおさえて、一生懸命笑顔をつくる。
そんな彼がけなげで、けなげで。
ちょっとありえないくらい不幸な少年時代に違いないんだけど、彼はとっても純粋。
そして案外に飄々とたくましくどこに行っても結構人気者なのです。
彼の周囲の人々もとても温かく描かれているのは、ラッセ監督独特の世界観。
監督自身が人を温かく見ることができる人なんでしょうね。

ラスト付近、さすがのイングマルも悲しみに耐えかねて泣いてしまう場面。これはたまりません。
犬のシッカンも可愛かった。



とてつもなく切ないんですが、全体のトーンはユーモラスでほのぼの。
最後には温かい気持ちになれる作品でした。

お薦めです。

★★★★☆