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映画ノート

サイダーハウス・ルール

1999年(米)監督: ラッセ・ハルストレム     原作: ジョン・アーヴィング 出演: トビー・マグワイア /シャーリーズ・セロン /マイケル・ケイン / デルロイ・リンドー     ポール・ラッド 【ストーリー】1940年代のアメリカの田舎町。孤児院で生まれ育ったホーマー(トビー・マグァイア)は親代わりのラーチ院長(マイケル・ケイン)の仕事である助産と当時は禁止されていた堕胎の仕事を手伝っていた。やがて自身の将来に不安を抱き始めたホーマーは、ある日手術に訪れたキャンディ(シャーリーズ・セロン)とその恋人と共に孤児院を飛び出した。彼はリンゴ園で働き、収穫人用宿舎サイダーハウスで暮らし始めた。
■about movie
ガープの世界」のジョン・アーヴィング原作。
孤児院で育った青年が、さまざまな経験を通して成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。
ラーチ医師を演じたマイケル・ケインアカデミー助演男優賞を受賞しています。

 

■感想
ギルバート・グレイプ」「ショコラ」の監督と知って、いきなり気になり始めたラッセ監督。
監督の代表作ということで観てみました。



映画の中で描かれている孤児院の暮らしにまず感動。
ここで暮らす子供たちが可愛いんです。しかし彼らは孤児でいつか誰かにもらわれていく身。
訪問者の前で、目いっぱいいい子に見せようと取り繕う姿が可笑しいやら、切ないやら。

 

孤児院の院長ラーチ医師はとても大きな愛情をもって子供たちを育てています。
法律で禁止されている堕胎の手術をひそかに行っていたのも、不幸な孤児を増やしたくないから。

 

りんごを収穫する労働者の寝泊りする小屋に貼り紙がありました。
それは、そこで寝泊りする上でのルールを記したもの。サイダーハウス・ルールです。
しかに、労働者たちは字も読めず、それがルールを記したものであることさえ知りません。
そして、実際に書かれている内容は、労働者から見れば、とても陳腐。
それに従う人たちの状況に即したものでなければ、ルールなんて何の意味もなさない。
この作品のテーマとなる部分です。

 

孤児院を飛び出し、さまざまな経験をしたホーマーは、周囲の大きな愛に気づき、やがて自分の
道を見出し歩き始めます。

 

テーマの一つである堕胎の是非を絡めながらも、ラッセ監督らしい、やさしさにあふれる作品です。

 

共演のシャーリーズ・セロン。裸体のヒップラインの綺麗なこと!女から見ても惚れ惚れです。
でも万年青年のトビーがお相手だとセロンちゃんの方がお姉さんに見えてしまう…。
助演男優賞受賞のマイケル・ケインはさすがに良かった。

 

自分の傾向として、優しい言葉、綺麗な言葉で綴られた映画が好きなんですが
これは、人々の言葉に無駄がなく、優しく心に残るものでした。

 

子供たちの可愛らしさにもやられました。
音楽、風景、叙情的な世界観。全て好き!

 

お薦めです。




★★★★*