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映画ノート

ガタカ


1997年(米)監督: アンドリュー・ニコル   製作: ダニー・デヴィート 他出演: イーサン・ホーク /ユマ・サーマン /アラン・アーキン /ジュード・ロウ     ローレン・ディーン /ゴア・ヴィダル 

■ストーリー
遺伝子操作された優秀な「適正」と遺伝子操作をされていない普通の人「神の子」が混在する未来社会。
「神の子」は「不適正」とされ、いくら努力しても知的な職業にはつけません。
宇宙飛行士を夢見るヴィンセント(イーサン・ホーク)も、両親から「お前が宇宙飛行センター(ガタカ)の中を見れるのは掃除をする時だけだよ」と言われてしまいます。
夢を諦められない彼は、闇業者の力を借りて事故で身障者になった元エリート、ジェロームジュード・ロウ)になりすまし宇宙飛行センターガタカに潜り込みます。
そんなおりガタカ内で殺人事件が起き、警察による捜査が入ります。
科学捜査の結果、ガタカ内に「不適正」者の存在が明らかになり…。

■感想
静かなSFでした。いかにも未来社会の派手さはなく、この作品では「差別」「努力」「挫折」「ねたみ」といった人間の内面の部分に焦点を当てている点が面白かったです。

ヴィンセントへの宇宙への憧れは「今ある自分からの脱出」だったんだろうな。
優秀でありながら「不適正」とされる未来の人間の悲しさを感じました。

エリートの弟と海での泳ぎの勝負の際、あまりにも沖に出すぎたことを心配し、引き返そうと言う弟に
「I've never saved anything for the swim back.」と言った、その言葉に泣けました。
コンプレックスの裏返し。
自分を信じ、それを証明することが彼の人生の全てになってたんですね。

ヴィンセントと対象にあるのが下半身の機能を失った元エリートのジェロームです。
ジュード・ロウ美しい~!演技も良かった!
成し得なかった夢。「適正者」であることの誇り。挫折。。。
色々な感情を抑えた演技でみせてくれます。これは最高。

それぞれの思いが交錯する後半はぐっと引き込まれました。
イーサン・ホークと元妻ユマ・サーマンのラブストーリーでもあります。
マイケル・ナイマンの音楽も美しく、映像も綺麗。

最後は泣けます。
結構いいですよ!


★★★★☆