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映画ノート

砂の器


1974年(日本) 監督:野村芳太郎    原 松本清張砂の器』 出演:丹波哲郎加藤剛森田健作島田陽子加藤嘉/春日和秀/緒形拳【ストーリー】ある日、国鉄蒲田操車場構内で扼殺死体が発見された。被害者の身許が分らず、捜査は難航した。が、事件を担当した今西、吉村の両刑事の執念の捜査がやがて、ひとりの著名な音楽家・和賀英良を浮かび上がらせる……。
■感想
松本清張の同名小説を、野村芳太郎監督、橋本忍山田洋次脚本で映画化した社会派サスペンスです。
ちょっと古い作品ですが、yaskazさんの邦画ナンバーワンにランクインされていたので観てみました。

これ、2004年に中居君主演でTVドラマが放送されたのを記憶されてる方も多いのでは?
今回この原作映画を観て、あらためて凄い作品だったんだと思いました。

これ、主演って誰だろう。今西刑事を演じた丹波哲郎かな?
身元不明の殺人事件。手がかりが無いと思えたその事件でしたが、今西、吉村(森田健作)刑事の執念の捜査により浮かび上がったのが音楽家、和賀英良(加藤剛)。

執念の捜査の部分は、和賀の犯行を確信した今西刑事の逮捕状陳述のなかで描かれます。
和賀が殺人に至った経緯が説明される中、和賀の生い立ちが説明され、
幼い頃の回想シーンが挟まれるんですね。

父と子の遍路の旅の様子が季節の移り変わりの美しい映像とともに描かれます。
同時に和賀のコンサートシーン。
ピアノ曲「宿命」がその遍路の回想シーンの映像と一体化するんです。
もう見事としか言いようが無い。

根底にあるのは偏見や差別。そして普遍の親子の絆。。

役者さんたちもみんな若~い。しかも凄いキャスト。
父役の加藤嘉の壮絶な演技には参りました。

強いて言えば、加藤剛のピアノのシーンが。。。。
オーケストラの指揮をするようなシーンでも。。。。

そこだけもう少し練習してもらえたら、というかもっと上手く編集出来ていたらなぁとちょっと残念。

サスペンスというよりむしろ人間ドラマですね。
父と子の宿命に多くの人が涙したことでしょう。

お薦めです



★★★★*