しまんちゅシネマ

映画ノート

ブラック・サンデー


1977年(米)監督:ジョン・フランケンハイマー出演:ロバート・ショウブルース・ダーンマルト・ケラー/フリッツ・ウィーヴァー/スティーヴン・キーツベキム・フェーミュ【ストーリー】アラブのテロ集団【ブラックセプテンバー】はマイアミで開催のスーパー・ボウルの観客8万人の爆殺計画をたてていた。 イスラエルの特殊部隊カバコフ少佐が察知してアジトを急襲、中にいた女性テロリストを逃がしてやるが…。
■感想

黒い9月Vs.イスラエル秘密警察! まぼろしのパニック超大作!


テロ集団と警察との攻防を描いたパニックアクションの大傑作です。
トマス・ハリスの同名小説の映画化です。

これ、日本では試写会まで行いながら、劇場に爆破予告が行われるなどの騒ぎとなり、劇場未公開となったという
曰く付きのまぼろしの一本だそうです。
全米では大ヒットしたとあって、買い付けた日本の配給会社もさぞかし無念だったでしょうね。


さて、この伝説の大傑作、確かに凄い映画でしたよ。

冒頭、【ブラックセプテンバー】のアジトで協議されているのは、大規模なテロ計画。
それはアメリカンフットボールの頂点を決定するスーパーボールが行われるマイアミのスタジアムを爆破するというもの。

計画に関わるのは女性テロリストのダーリア(マルト・ケラー)と、アメリカ人パイロット、マイケル・ランダー(ブルース・ダーン)。
このダーリアが怖い! 目的のためには冷徹に殺戮を繰り返す女。そのバックグラウンドに秘密がありました。


また、ベトナム戦争で捕虜となった経験を持つランダーの転落の人生も次第に明らかになり、彼の狂気の下敷きとなるところを見せるあたり上手いですね。
一方、組織を追う秘密警察側のカバコフ少佐(ロバート・ショウ)も、アジトで逃がしてしまったダーリアに仲間を殺され、大きな哀しみと後悔を残す事になるわけで、追うものと追われるものの戦いの執念にも納得です。



なんといっても圧巻はラストの攻防です!
スーパーボールに涌く観衆。スピード感に溢れるフットボールのゲームのカット。
一方、上空に浮かぶ飛行船の静かな動きが実に対照的で、とてつもなく不気味なのです。

この飛行船、空からスポーツの試合を中継する、【Good Year】のロゴの入った見慣れた飛行船ですね。
これに爆弾を搭載し、スタジアムの観衆8万人を殺戮しようという訳です。恐ろし~い。
中盤に「テスト」と称して、納屋で威力を試すところがあるのですが、これもう背筋が凍ってしまいました。
この爆弾、ドカーンと一発吹き飛ぶ類いのものでなく、散弾銃のように飛び出すライフルダーツなのですよね~。
納屋に無数に開けられた穴から差し込む光の美しさ! 狂喜するランダー。 印象に残るシーンです。


さてさて、近づく飛行船に大パニックに陥るスタジアム! 走る警察のロバート・ショウ
8万人の観客は助かるのか!!   



この迫力映像は本当に凄い!CGとかじゃないでしょうからマジにリアルでドキドキします。
ただならぬ緊張感を味わいたい方には絶対にお薦めです。劇場公開を見なかったのが惜しまれますね。
必見!


★★★★☆