しまんちゅシネマ

映画ノート

ロンリーハート


2006年(米/独)監督・脚本:トッド・ロビンソン出演:ジョン・トラヴォルタジェームズ・ガンドルフィーニジャレッド・レトー/・ハエック/スコット・カーン/アリス・クリーグ/ローラ・ダーン【ストーリー】1940年代、レイモンド・フェルナンデスは戦争未亡人や中年女性ばかりを相手に結婚詐欺を繰り返す犯罪者。標的は、新聞の恋人募集欄“ロンリーハート・クラブ”から選び出していた。ある日、レイは新たなターゲット、マーサ・ベックに近づく。マーサに金のないことを知り、次のターゲットに向かう。しかしそこでドジを踏んだレイは追って来たマーサに危機を救われる。これをきっかけに、2人は強い絆で結ばれることに。以来マーサはレイの妹と偽り、詐欺の片棒を担ぐようになるが、相手の女性に異常なほどの嫉妬心を燃やすマーサはついに殺人を繰り返すようになる。そんなある日、女性の自殺現場に駆けつけたエルマー・C・ロビンソン刑事は、背後に犯罪の臭いをかぎつけ捜査に乗り出すが…。
■感想
アメリカ犯罪史に名を残す凶悪殺人事件【ロンリーハート事件】を、捜査を担当した刑事の視線で追った犯罪ドラマです。


ロンリーハート事件の犯人はケチな詐欺師のレイモンドとその恋人マーサ。

そもそもは寂しい女性をターゲットにしたケチは詐欺だったのですが、
マーサの嫉妬が引き金となり、いつしか残忍な殺人事件を繰り返すようになるのです。


犯人レイモンドを演じるのはジャレット・レトー。あれ?この人もっとカッコ良くなかったっけ? 
とにかく格好良さを完全に封印したその姿に一寸笑ってしまいます。
コミカルに女たちを騙していくさま、マーサに誘惑され、果てる情けない様子(笑)
最初はそういう軽さで笑わせてくれるのですが、次第にシリアスで重い演技へと変わっていきます。

その風貌はこんな感じなんですけどね。


DVD特典のメイキング映像を見てたら、これ生え際から数センチ、キレイに剃って、
剃り跡が見えないようにメイクを施してるんです。頭頂部も多分剃ってるんでしょう。
しかもかなりの毛を実際に毛抜きで抜いてるんですよ~。体当たりですね。
あと、ちゃんと生えるんでしょうか。小声で泣き言言ってました。そりゃね~。


そして、凄いのはマーサを演じたサルマ・ハエック
愛を求め彷徨い続けるマーサを、妖艶かつ魅力的に演じます。しかも怖いのです。
おそらく今までで最高の演技でしょう。

あれ、主役はトラさん?(笑)
ジョン・トラヴォルタ、今回は踊りません。

心に傷をもった刑事ロビンソン。このロビンソンさんというのは、監督の実のおじいさんらしいです。
それだけに、監督にとっては思い入れのある作品ということですね。

でも、、どうもトラさん、今回は彼の持ち味を活かしきれてないような。
過去の傷を乗り越えるべく、事件解決に執念を燃やす役所なんですが、その心理描写がイマイチ浅い気がしました。
事件解決後のトラさんの心に残ったやるせなさ。それも演技からは読み難かったんですよね。
私の理解が足りないのでしょうが、訴える力も弱かった気がします。

とは言え、作品自体はエンタメ性もあり、なかなか見応えがありました。



★★★*☆