しまんちゅシネマ

映画ノート

おばあちゃんの家


2002年(韓国)監督:イ・ジョンヒャン出演:キム・ウルブン/ユ・スンホ/ミン・ギョンフン/イム・ウンギョン/トン・ヒョフィ【ストーリー】サンウは母親と2人でソウルに暮らす7歳の少年。夏のある日、サンウは失業中の母が新しい仕事を見つけるまでの間、今まで会ったこともない田舎のおばあちゃんの家へ預けられることになる。だが都会暮らしに慣れてしまっているサンウにとって、田舎の生活はあまりにも退屈だった。その上、おばあちゃんは話すことも読み書きも出来ないため、サンウは彼女をバカにし、何かと不満をぶちまける始末。それでもおばあちゃんは、サンウを叱ることはなく彼の願いを叶えてあげようと懸命だった。サンウはそんなおばあちゃんに、徐々に心を開き始めるのだが…。
■感想
少年とおばあちゃんの心の交流を描いた作品です。

サンウにとって、田舎での生活はなんとも退屈なもの。
今まで簡単に手に入れていたものが手に入らない暮らしにストレスもたまるわけで…、
おばあちゃんに、そのストレスをぶつけてしまうんですよね~。

おばあちゃんは口がきけません。90度に曲がった腰に質素な服装…。
サンウはおばあちゃんのことを汚いと言って嫌がり、馬鹿にした態度。
儒教の国でもこんなことなのでしょうか。核家族で、年寄りを大事にするということに学ぶことなく育ったのでしょう。


それでもおばあちゃんはサンウを叱ったりしません。
困ったなぁという顔はするものの、なんとかサンウの希望に応えようとします。
その様子がユーモラスでもあり、なんといっても温かいのです。

もう、このへんですっかりやられちゃいます。
自分のおばあちゃんのことを思い出すんですよね~。
よその家に遊びに行って出されたお菓子を食べずに持って帰って私にくれたり…、そんなだったなぁ。

舞台となる田舎での暮らしぶりも、これっていったい何年前のお話なのかしら…と考えてしまうくらいノスタルジック。
おばあちゃんの家から望む、まるで仙人でも住んでいそうな霞のかかった山々!絶景です。

この映画に出て来る人たちはサンウを演じた少年以外は、おばあちゃんも含めみんな素人だそうです。
どうりで素朴!(笑)

特に泣かせようとする演出でもないのに、おばあちゃんの愛情とサンウの心の成長に感動し、最後はボロボロになりました。



★★★★☆