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映画ノート

映画に愛をこめて アメリカの夜


1973年(フランス/イタリア)監督・脚本:フランソワ・トリュフォー出演:ジャクリーン・ビセットジャン=ピエール・レオ/ジャン=ピエール・オーモン/アレクサンドラ・スチュワルトフランソワ・トリュフォー/ナタリー・バイ/ヴァレンティナ・コルテーゼ【ストーリー】フェラン監督(F・トリュフォー)による映画が、ニースで撮影される。ノイローゼ気味のハリウッド女優や気難しい男優、妊娠がバレた新人など、問題あるスタッフをかかえて、監督の撮影もなかなかはかどらない……。
■感想

「観るべきシリーズ」第5弾! 映画に愛をこめて アメリカの夜


『パメラを紹介します』という一本の映画の撮影開始から完了までを描いた作品です。
映画の撮影現場の中で繰り広げられる群像劇という感じかな。
映画の主演女優は精神不安定で演技どころではなかったり、主演男性がスタッフに恋をする、新人女優が水着を着たがらないと思えば、実は妊娠していた、せっかく撮ったシーンが撮影所のミスで台無し、撮り無しを余儀なくされる‥、等々、もーう大騒動!

こんな状況を上手くまとめながら、一本の映画を撮り終える監督さんは本当に大変!!
映画の中でフェラン監督を演じるのは、実際にこの映画(ややこしい)を監督した、フランソワール・トリュフォーなのよ。
先日記事をアップした「大人は判ってくれない」初め、「華氏451」などで知られるフランスの巨匠ですよね。
この時41歳?若い。 「大人は判ってくれない」なんて25歳で撮ってるんですね。
その年でヌーヴェル・バーグの旗手と言われる存在だったことに今更ながら驚きです。

さて、映画ですが、とにかく大変な撮影をサクサクとこなしていく様子が結構楽しい。


思い通りにいかないシーンも多く、特に猫がミルクを飲む、それだけのシーンもスタッフ一同固唾をのんで見守る様子が笑えるし、上手く飲んでくれたときには、一緒に手を叩いて喜んじゃう。
気がついたらスタッフの一員みたいな気分で、映画の進捗に一喜一憂してる自分がいました(笑)

へー、映画ってこんな風に撮るんだぁと感心することもたくさん。
因にタイトルの"アメリカの夜”って、夜のシーンを昼間に撮るため、カメラにフィルターをつける撮影の技法のことだそう。

撮影が終わると同時に映画が終わる。すると不思議な充実感みたいなものまで感じてしまうから不思議ですw


巨匠って言ったらもっと厳しい感じで映画を撮るのかなぁという勝手にイメージしてたので、
ソフトなトリュフォー監督にはちょっとビックリ。ジャクリーン・ビセット可愛い!


★★★★☆