しまんちゅシネマ

映画ノート

キッド


1921年(米)監督:チャールズ・チャップリン出演:チャールズ・チャップリン/ジャッキー・クーガン/エドナ・パーヴィアンス/カール・ミラーチャック・ライスナー/トム・ウィルソン/ヘンリー・バーグマン/アルバートオースチン【ストーリー】ある日、いつもの様に街を散歩していたチャーリーの耳に赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。辺りを見回すとまだ生まれたばかりの赤ん坊が街頭に捨てられている。どうしたものかと抱き上げた彼の目の前に、パトロール中の警官が通りかかった。警官は彼が赤ん坊を捨てにきたと勘違いし、目を光らせている。仕方なく彼は、その赤ん坊を自分のボロ・アパートに連れて帰った。それから5年後--その子はチャーリーの仕事を手伝う程成長していた。彼が石を投げてガラスを割った後、なにくわぬ顔でガラス屋のチャーリーが修理して回るという段取りで、2人は貧しいながらも幸せに暮らしていた。そんなある日、急病の坊やを医者に見せたことから捨て子だったことが分かり、坊やは強制的に孤児収容所に送られそうになるが……。
■感想
素晴らしいの一言です!

貧しい浮浪者であるチャップリンが、街角で男の子を拾います。
どうしたものかと四苦八苦。やがて母親の手紙をみつけ、その子が捨て子であることを知ると
家に連れ帰り育てるのです。

天井から吊るしたやかんでミルクを飲み赤ちゃんw そばでオムツの準備をするチャップリン
そのシーンから、もう大ツボです。可愛い~。
そして5年がたち、男の子は5歳になります。
この子どもを演じたジャッキー・クーガンくんもまた愛くるしくって、たまりません!

坊やとチャップリンの絶妙なコンビ!! その動きは完璧とも言える面白さです。

血のつながりのない父子であるチャップリンと少年は、実の親子以上の強い絆で結ばれていて、
チャップリンの愛情の深さに途中からただ涙。チャップリンの映画でこんなに泣かされるとは思ってもみませんでした。

冒頭、子どもを捨てる母親が登場する際に
「その女のただ一つの罪は、母であることだった」と説明のテロップが入るのですが、
これは喜劇を越えた究極のヒューマンドラマだったんですね。


この映画はご存知のとおり無声映画です。
言葉はなくてもこんなにも愛や楽しさや哀しみを伝えることができるということにも驚いてしまいます。
言葉がないからこそ、言葉の違う世界の人がこの映画を観て感動することが出来たのでしょうね。

チャップリンは天才だということだけは聞いてましたけど、本当に素晴らしいです。

もしも、この映画を観たことがない人がいるのなら、ぜひとも観ていただきたい。
笑いと涙に包まれ、温かい気持ちで映画を観終えることができるはず。



★★★★★