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映画ノート

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師


2007年(米)監督:ティム・バートン原作:スティーヴン・ソンドハイム出演:ジョニー・デップ/ヘレナ・ボナム=カーター/アラン・リックマンティモシー・スポールサシャ・バロン・コーエンエド・サンダース/ジェイミー・キャンベル・バウアー/ローラ・ミシェル・ケリー/ジェイン・ワイズナー【ストーリー】19 世紀のロンドン。フリート街で理髪店を営み、妻と娘と幸せに暮らすベンジャミン・バーカー。だが彼はある日、妻に横恋慕したターピン判事によって無実の罪で流刑にされてしまう。やがて15年後、脱獄に成功したベンジャミンは“スウィーニー・トッド”と名を変え、街に戻ってくる。しかし、彼の大家でもあるパイ屋の女主人から、妻はターピンに追いつめられた末に自殺し、娘は幽閉されている、という驚愕の事実を知らされる。怒り狂ったスウィーニーはターピンへの復讐のみに生きることを決意。理髪店を再開し‥。
■感想
久々にティム・バートンジョニー・デップのダークな世界を堪能しました。

奇麗な妻と可愛い娘と暮らし、幸せの絶頂にあった理髪師ベンジャミン・パーカー(ジョニー・デップ)は、
冤罪により投獄され、全てを奪われてしまったのですね。

15年ぶりにフリート街に帰って来たベンジャミンの姿に昔の面影はありません。
大きな悲しみは、彼から人の心をも奪いさってしまったのでしょう。

復讐すべき相手タービン判事だけでなく、理髪店を訪れる人々を血祭りにあげていくのです。

歌いながら次々に喉を掻き切っていく狂気のジョニー。
血しぶき飛びまくりで、毎回ウギャ!っと声をあげてしまうくらいグロいシーンなんだけど
椅子が後ろ向きに倒れ、そのまま階下に‥の一連の流れがあまりにもテンポよく、
怖いと思う前に、小気味良さにリズム刻んじゃう自分が・・・(笑)

ミュージカルということに、多少心配があったのですけど、ホラーな雰囲気も手伝ってか
全然気にならなかったですね~。これなら劇場で観ればよかったと思いましたもん。

歌に関しては、ジョニーはまずまず、ヘレナも頑張ってたとは思います。
でもトビー少年の美しい歌声を聴いちゃうと、やはり違いを感じちゃいます。
アンソニーを演じたジェイミー・キャンベル・バウアーの伸びのある歌声も素晴らしく良かったですね。


バートンらしいダークな世界観は「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」や「スリーピー・ホロウ」に通じるところがあり、
途中、少しコミカルな味付けをしてる部分の可愛らしい映像とのコントラストも楽しかった!
終始眉間に皺の怖いジョニーが、この時だけはコミカルな表情を見せてくれて、ちょっと心が和みましたよ。
フリート街の街並、理髪店の屋根裏部屋、ミートパイ製造機(笑)、衣装などアカデミーを受賞した美術もやはり素晴らしいものでした。

個人的にはティモシー・スポールが出て来て嬉しかったですね。
魔法にかけられて」でディズニーアニメそのものの風貌だった彼はバートンの世界にもぴったり。
「ナイトメア~」でラッパ吹いてそうですもの(笑)

全体的には、歌によって、少し間延びするところを感じたのは残念かな。
特にヘレナの歌の部分でそう感じました。
それでもなかなかにいい出来でしたよね。楽しめました。



★★★★☆