大いなる陰謀

２００７年（米）監督：ロバート・レッドフォード脚本：マシュー・マイケル・カーナハン出演：ロバート・レッドフォード／メリル・ストリープ／トム・クルーズ／マイケル・ペーニャ／デレク・ルークアンドリュー・ガーフィールド／ピーター・バーグ【ストーリー】ベテラン・ジャーナリスト、ジャニーン・ロスは、未来の大統領候補と目されるジャスパー・アーヴィング上院議員の独占インタビューに赴き、対テロ戦争の新作戦について知らされる。同じ時刻、カリフォルニア大学の歴史学教授マレーは、優秀であるのに勉学に身が入らない学生トッドを呼び出し、志願兵となった教え子２人の話を始める。そして、アフガニスタンでは志し高い２人の若き兵士が最前線に送られていた。

■感想
ロバート・レッドフォードが７年ぶりにメガホンを執った社会派ドラマです。

物語は共和党上院議員アーヴィング（トム・クルーズ）とベテランジャーナリスト、ジャニーン（メリル・ストリープ）のインタビューシーン、大学教授マレー（ロバート・レッドフォード）と学生トッド（アンドリュー・ガーフィールド）の面接シーン、
マレーの教え子でありアフガニスタンに派遣された２人の志願兵の話しと、３つのシーンが同時進行します。

どうも社会派なものが苦手な私には、この92分がとても長く感じてしまったのですが、
頭をクリアにして、しっかり取り組んでみると、結構引き込まれる内容ではありますね。

観るまでは、トム・クルーズが上院議員ってどうよ！なんて心配してましたが、なんの、なんの。
政治にジャーナリズムを利用しようとする上院議員アーヴィング。
一見人懐っこそうな大きなスマイルに狡猾さと野心をにじませながら、エリートで突き進んできた政治家のすごみっていうのかな、そんなものを感じさせてくれる演技でした。

議員との会話にうさん臭さを感じながら、次第に自分の責任の大きさに愕然とし苦悩するジャーナリスト、ジャニーンを演じたメリルは本当に上手いですね。


対テロ戦争の新しい作戦について語る彼が、イラク戦争の非を認め、失敗とする点を列挙するシーンがありましたが、
こういうのって、政治家の口から公に報告される事ってないわけでちょっとびっくり。

教授に啓蒙された若者トッドは何を考えるのか、ジャーナリズムが政治を、そして戦争に大きく関わるのだということを突き付けられ、新たな「報道」を期待されるジャーリスト、ジャニーンは今後どう行動するのか。
結論は観客に委ねられます。

邦画のタイトルから政治サスペンスものを期待して観ると、大きく裏切られる感じかもですね。
会話中心の展開なので、ぼーっと聞いてるとダメです。眠くなるし（汗）

言葉のあちこちが、他のシーンの台詞とリンクしており、言葉の使いかたに面白さを感じました。

高い意志をもって戦地に赴くのがメキシコ系と黒人のマイノリティーであるということ、
なんとも考えさせられますね。

社会派な映画にも、もっと興味を持てるようにならなきゃなぁと思う今日この頃^^;
この映画で語られているように、私たちは無関心であることをやめ、まず考えることから始めなければならないのですよね。

★★★＊☆