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映画ノート

シッピング・ニュース


2001年(米)監督:ラッセ・ハルストレム原作:E・アニー・プルー出演:ケヴィン・スペイシージュリアン・ムーアジュディ・デンチケイト・ブランシェットピート・ポスルスウェイト/リス・アイファンズ/ゴードン・ピンセント/スコット・グレン/ジェイソン・ベア【ストーリー】新聞社に勤めるクオイルは、父親の厳しい教育がトラウマとなって自分の殻に閉じこもる孤独な男となってしまった。そんな彼は、美しい女性ペタルと出会い初めての幸せを味わう。結婚もし、女の子も生まれるが、ペタルは娘をほったらかし、若い男と遊んでばかり。そして、ある日、突然に娘を連れ去り、男とともに家を出ていってしまう。次にクオイルのもとに届いた知らせは、ペタルの交通事故死と、彼女が娘を養子として売り飛ばそうとしていた事実だった。失意のクオイルは人生をやり直すため、娘を連れ、父の故郷ニューファンドランド島へと向かうのだったが……。
■感想

黒く塗りつぶせ! ラッセ・ハルストレム監督です。

ピュリッツァー賞と全米図書賞をダブル受賞したE・アニー・プルーの世界的ベストセラー小説の映画化です。

孤独でぎくしゃくな男クオイルを演じるのはケヴィン・スペイシー、その妻ペタルにケイト・ブランシェットなんですね~。
美しく奔放、、というかかなりエキセントリック!
大胆な下着姿も披露したわりにお早い退場! と思いきや、後々にもホラームードで登場してくれましたが
今のケイトなら引き受けない役かもしれません。ある意味貴重。


クオイルがおばアグニスに連れられ、娘と人生をやり直そうと訪れたのは父の故郷ニューファンドランド島
寒さの厳しいこの土地で、仕事を得るために新聞社をたずね、シッピング・ニュースを記事にするライターの職を得ます。



クオイルがこの土地で知ることになる、自らのルーツやアグニス(ジュディ・デンチ)の悲しい過去の事実は
妻を亡くした痛みも消えない彼にとって過酷なものでした。

それでも、ここには新しい出会いがあり、同じく痛みを抱えた未亡人ウェイヴィ(ジュリアン・ムーア)等との出会いによって、徐々に人間らしさを取り戻していくクオイル。

ギルバート・グレイプ」で父が建てた住み慣れた我が家を燃やし、新しい未来に向け出発したように、
この映画でも自分をがんじがらめにする困難やトラウマから再生する様子がたくましく、爽やかでした。



途中ホラーな雰囲気を醸し出したりと、監督にしては珍しいテイストでもありましたが、
終ってみれば、やはりラッセ監督らしい強さと優しさのあるお話しでしたね。




★★★*☆