しまんちゅシネマ

映画ノート

トーク・トゥ・ハー


2002年(スペイン)監督・脚本:ペドロ・アルモドバル出演:ハビエル・カマラ/ダリオ・グランディネッティ/レオノール・ワトリング/ロサリオ・フローレスジェラルディン・チャップリンパス・ベガピナ・バウシュカエターノ・ヴェローゾ/ロベルト・アルバレスセシリア・ロス【ストーリー】病室のベッドに横たわる若くて美しい女性アリシア。彼女は4年前に交通事故に遭い、以来昏睡状態に陥ったまま一度も目覚めることはなかった。看護士のベニグノは4年間彼女を世話し続けるとともに、決して応えてくれることのない相手に向かって毎日語り続けていた。一方、女闘牛士のリディアもまた競技中の事故で昏睡状態に陥っている。彼女の恋人マルコは突然の事故に動転し悲嘆にくれていた。そんなベニグノとマルコは同じクリニックで顔を合わすうちいつしか言葉を交わすようになり、互いの境遇を語り合う中で次第に友情を深めていくのだったが…。

黒く塗りつぶせ! 「観るべきシリーズ」!

■感想
昏睡状態となった女性を愛する二人の男を主人公に描く、愛の物語。
スペイン映画でありながら、アカデミーの脚本賞を受賞。ゴールデン・グローブの外国語作品賞に選ばれた作品です。

交通事故で4年間昏睡状態にある女性アリシアの世話をする看護師のベニグノ。
競技中の事故により昏睡状態の女闘牛士リディアの世話をする恋人のマルコ。

同じクリニックで顔を合わせるうちに、二人は互いの境遇を語り合うようになり親しくなっていきます。


4年前、、バレエのレッスンをするアリシアに恋い焦がれるベニグノ。始まりは彼の勝手な片思いでした。

そのアリシアが事故で昏睡状態となり、ベニグノの看病を受けることに。
身体的なケアをするだけでなく、毎日アリシアに話しかけるベニグノ。
彼のアリシアへの想いは大きくなるばかり。たとえアリシアに反応がなくても‥。

植物に話しかけると、果実が甘い実をつけたり、奇麗な花を咲かせると言うことは聞いたことがあります。
昏睡状態にある人間に話しかけることも、同じく意味があるように思います。

それでも、この映画の中で描かれる看護師ベニグノの愛には賛否両論あるでしょうね。
なぜなら彼の愛はあまりにも一方的で、そこに相手の意志が存在しないと思えるから。

昏睡状態にあるアリシアの裸体は本当に奇麗でした。
いつしか、マルコもアリシアに惹かれていったのでしょう。
植物状態の人間に話しかけることに何の意味も見出せないでいたマルコが、アリシアを愛し始める。。

愛の形はそれぞれ。

ベニグノの愛の結末は衝撃的で泣けてしまいましたが、彼の愛は永遠に続くのでしょうね。

そして、新しい愛の始まりを予感するラスト。。

愛の始まりかたもそれぞれです。


賛否両論のこの作品、私は好きでした。




★★★★☆