しまんちゅシネマ

映画ノート

アクロス・ザ・ユニバース

2007年(米)監督:ジュリー・テイモア出演:エヴァン・レイチェル・ウッドジム・スタージェスジョー・アンダーソン/デイナ・ヒュークスマーティン・ルーサー・マッコイ/T・V・カーピオ/ジョー・コッカー/ボノ/エディ・イザード/サルマ・ハエック【ストーリー】1960年代、イギリス・リバプールの造船所で働くジュードは、米兵だったというまだ見ぬ父に会うためアメリカへと渡る。しかし、東海岸プリンストン大学で管理人として働く父親は存在すら知らなかった息子の訪問に戸惑うばかり。すっかり失望したジュードだったが、ひょんなことから学生のマックスと知合う。その後、彼の妹ルーシーと出会い、心惹かれるジュード。しかしやがて、ジュードはマックスと共にニューヨークへと向かい、歌手のセディが住むグリニッジ・ビレッジのアパートに転がり込み、様々な若者たちとの刺激的な共同生活をスタートさせる。そんなある日、ベトナム戦争で恋人を亡くしたルーシーが、兄の召集令状を携え、アパートへとやって来た。
■感想
ライオンキング」の天才演出家がジュリー・テイモアが監督する本作は、タイトルの「ACROSS THE UNIVERSE」をはじめ
33曲におよぶ曲すべてがビートルズの名曲という、とっても素敵なミュージカル映画です。

 

といっても、これビートルズ物語じゃないですよ。

 

時はベトナム戦争のまっただ中にあった60年代。
イギリスからやってきた青年ジュード(ジム・スタージェス)はアメリカの青年マックスと知り合い意気投合。
歌手のセディが所有するニューヨークのアパートで若者たちと共同生活を送るある日、マックスに召集令状が届けられます。

 

この時代を描いた作品って、戦争に反対するシュプレヒコールを背景に‥といった風に、
社会情勢を臭わせつつ、体制に抗う若者の生き様を描くものが多いですよね。

 

本作がそれらと違うのは、はっきりと「戦争反対!」と訴えているところ。
といっても、ガチガチの反戦映画というわけではなく、主人公のジュード、徴兵された友人マックス、
ジュードと恋に堕ちるマックスの妹ルーシーを中心に、ニューヨークに生きる若者たちの、
恋と葛藤、戦争への思い、移民問題などを描いた青春ムービーなんです。

 

しかもこれしっかりミュージカルですから、最初から歌います!(笑)

 

主人公ジュードを演じるのが、「ラスベガスをぶっつぶせ」のジム・スタージェス君。
実際にバンドを結成していたとあって、彼の歌は本当に上手!これは驚きでした。
ルーシー役のエヴァン・レイチェル・ウッドの歌もなかなかのもの。


彼らが歌うのは勿論ビートルズのナンバーなんですが、
歌だけでなく台詞にも歌詞に関係する事柄が出て来るので、詳しい人はニヤニヤしながら楽しめるんじゃないかな。
物語の中で、その歌詞が生き生きと意味を持ってくるのも新鮮でした。
登場人物の名前がジュードや、マックス(マクセル)、ルーシーなのも「あー、なるほどね~」なのです♪
"ジュード”がどう使われるか、、ね、見当がつくでしょw

 

脇を固める面々も実力者揃い!
歌手のセディにデイナ・ヒュークス、ギタリストのジョジョマーティン・ルーサー・マッコイ
アパートの住人プルーデンスにT・V・カーピオU2のボノカメオ出演で歌声を聴かせてくれます。
彼らが様々なアレンジで歌い上げるビートルズナンバーも圧巻です。

 

監督が「ライオンキング」の演出家というだけあって、時にファンタジー風に魅せる映像も斬新なんですよ~。
「レント」と「ヘアー」を足してミシェル・ゴンドリーで割った感じ(爆)


 

ミュージカル嫌いでも、これは楽しめると思います!!

 

8/9公開。








★★★★☆