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映画ノート

コレラの時代の愛


2007年(米)監督:マイク・ニューウェル原作:ガブリエル・ガルシア=マルケスコレラの時代の愛』出演:ハビエル・バルデム/ジョヴァンナ・メッツォジョルノ/ベンジャミン・ブラット/カタリーナ・サンディノ・モレノヘクター・エリゾンドリーヴ・シュレイバー/アナ・クラウディア・タランコン/フェルナンダ・モンテネグロマルセラ・マール/ウナクス・ウガルデ/ローラ・ハリング/サラ・ノリエガ/ジョン・レグイザモ【ストーリー】事故で夫を亡くし、傷心で葬儀に臨む老いたフェルミナのもとにフロレンティーノが現われ「この日を待っていた。ずっと愛していたんだ」と告げた。1897 年のコロンビア・カルタヘナ郵便局員のフロレンティーノは、配達先の令嬢フェルミナと恋に落ちる。しかし、娘を裕福な名士のもとに嫁がせたい父によって引き裂かれてしまう。その後、フェルミナが医師フニベルと結婚した事を聞き、何年でも彼女を待ち続けると心に誓う…。
■感想
百年の孤独』のノーベル文学賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの同名小説の映画化。

若い女とベッドを共にする年老いたフロレンティーノ。
鳴り響く教会の鐘の音に「誰か、町の有力者が死んだようだ‥」と呟く。
「行かなければ!」

そしてフロレンティーノは夫の葬儀を終えたばかりのフェルミナのもとへ行き、告げる。
「51年9ヶ月と4日‥。この日を待っていた。ずっと愛していたんだ。」

これはコレラの蔓延する時代を背景に、初恋の人との愛を引き裂かれた一人の男の壮大な愛の物語です。

フロレンティーノを演じるのが、我らがハビさんことハビエル・バルデム
ノーカントリー」での怪演も記憶に新しいハビさんが、今度は50年以上に渡り一人の女性を愛し通す男を演じます。


とてつもなく純愛、、でもこの愛の形が普通ではない。
愛するフェルミナは既に医者の妻となり幸せに暮らしている。彼はその生活を脅かすつもりはない。
ただひたすら思い続ける。フェルミナの夫が死んだら、再び思いを告げよう。。

真似出来ます? 今回のハビさんのあり得ない愛の表現に、今回はラジー狙いなの?って思ったの。
だって、すぐに泣くし、マザコンだし。
しかもフェノミナの愛を得られない、心の痛みを癒す手段は女を抱くこと。
抱いた女の数、なんと622人!!

だから多分にコメディ的な要素も入っていて、滑稽で笑えるところもある。

でも時々見せる表情にフェルミナへの深い深い思いを感じ、次第に物語に引き込まれるんですよね~。

ラストにはすっかりこの作品に魅せられている自分がいました。

若き日から72歳になるまでのフェルミナを演じたジョヴァンナ・メッツォジョルノ
ジョディ・フォスターアシュレイ・ジャッドを足したような奇麗な女優さんでした。
カタリーナ・サンディノ・モレノはちょっと可哀想な使われ方かな^^;

異質の愛です。でも壮大でロマンティック! 最後に流れる穏やかな空気がグッと心に沁みました。

8/9公開!



★★★★☆