しまんちゅシネマ

映画ノート

顔のない眼


1959年(フランス/イタリア)監督:ジョルジュ・フランジュ出演:ピエール・ブラッスールアリダ・ヴァリ/エディット・スコブ/ジュリエット・メニエル/シャルル・ブラヴェット

ハロウィンホラー映画祭り第3弾! 『顔のない眼』

さて、今日はロットントマト選出ホラー50選の20位のフランス発ホラーです。

交通事故で顔に大ケガを負った愛娘のために、若い女性をさらって来てはその女性の顔の皮膚を剥がし、
娘の顔に植皮手術を行う医者を描くというもの。

どのへんがホラーかと言いますと、その手術の光景がちょっとリアルでグロ。
奇麗なお顔から皮膚が剥がされるシーンは流石に気色悪いです。

タイトルが『顔のない眼』となっているように、娘クリスチアヌは顔面の皮膚を失ってマスクから眼のみが見える姿。
ただ、この女助清姿はさほど怖くはない。
たまーに、マスクを外すシーンがあるものの、ちょっとボカしが入っていたりするんです。
モノクロでもあるし、今どきはこの手のグロで驚く人はいないでしょうが、当時は怖かったのかな。



ただこの映画の面白いところは、形成外科の権威でありながら娘のために誘拐、殺人を繰り返す医者のエゴや、
その助手で誘拐に加担する女の苦悩、はたまた娘自身の絶望や苦悩がちゃんと描かれている点。

加えて、誘拐事件の捜査に乗り出した警察が、おとり捜査として、万引きで捕まった美人学生を病院に送り込むという
刑事ものの側面を持っているのですね。

皮肉で哀しい幕引きもとってもいいし、よくまとまったホラーで面白かったです。



★★★★☆