しまんちゅシネマ

映画ノート

アパートの鍵貸します


1960年(米)監督:ビリー・ワイルダー出演:ジャック・レモンシャーリー・マクレーン/フレッド・マクマレイ/レイ・ウォルストン/デヴィッド・ルイス【ストーリー】出世の足掛かりにと、上役の情事のためにせっせと自分のアパートを貸している会社員バド(レモン)。だが、人事部長のシェルドレイク(マクマレイ)が連れ込んで来たエレベーターガールのフラン(マクレーン)は、バドの意中の人だった……。
■感想
アパートを会社の上司たちの情事のために貸しているバド(ジャック・レモン)。
しがない独身サラリーマンの彼ですが、エレベーターガールのフランにほのかな恋心を抱いています。
ところがフランは実はバドの上司と不倫の関係であることが発覚。
ショックを受けるバド。一方フランも上司との恋に疲れ果て‥。

さてさて、バドとフランの恋の行方は?というお話です。

これ面白かったです!

まず面白いのが上司たち(複数です!w)の情事のためにアパートを提供し、
内線電話でブッキングしたりメッセンジャーを使って鍵の受け渡しをするというところ。
おまけにこの仕事が評価されて、昇進までしちゃうというのんきな会社の様子(笑)
平和な時代だったんですね~w

とにかく主演の二人がいいですね。
バドを演じるジャック・レモン。実は若い頃の彼の作品観たことなかったんですがw
動きが機敏で、とにかく誠実。傷心のフランに接するときの細かなやさしさにはグッときますね。

バドの意中のエレベーターガール、フランを演じるのはシャーリー・マクレーン
実らぬ恋と知りつつも、忘れきれない思いを抱え、悩み苦しむ女性をキュートに演じてます。
個人的には彼女のエレベーターのボタンを押すポーズがツボw



監督のビリー・ワイルダーは製作から脚本まで手がけてるんですね。
言葉使いがとっても魅力的で面白いし、ちょっとした小物を上手く使っていたりとセンスが光ります。
脇役がまたいい味出していて、特に好きだったのがお隣に住む医者の妻。
フランを苦しめているのがバドだとの勘違いから、バドに対しては辛い言葉を吐きながらもフランには親切に接する。
紙ナプキンではなく、本当のナプキンを使うことにこだわったりのディテールもよく、
そういった人情の厚さがこの映画にいい味を加えてるんですよね~。

とっても良くできた作品でしたよ。流石に後世に残る名作だと思いました。
ビリー・ワイルダー作品もっと観なくちゃです。


★★★★*