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映画ノート

マラノーチェ


1985年(米)監督・脚本:ガス・ヴァン・サント原作:ウォルト・カーティス出演:ティム・ストリーター/ダグ・クーヤティ/サム・ダウニー/ナイラ・マッカーシー/レイ・モンジュロバート・リー・ピッチリン【ストーリー】オレゴン州ポートランドの場末の食料品店で働くウォルト。ある日、彼の前にメキシコからの不法移民の青年ジョニーが現われた。たちまち恋に落ちるウォルトだったが、スペイン語しか話さないジョニーとはまともな会話も出来ず、2人の関係はどこまでもちぐはぐなままで…。
■感想
ミルク』のガス・ヴァン・サント監督が85年に製作した幻の長編監督デビュー作。
製作から22年経った2007年に日本でも公開された本作は、監督のホームタウンとも言えるオレゴン州ポートランドが舞台。
『ドラッグストア・カウボーイ』『マイ・プライベート・アイダホ』へと続くポートランド三部作の1作目となるんだそうです。これを観なくちゃ3部作完結しません!ってことで、ようやく観ました。

ウォルト・カーティスの自伝小説が原作ということで、主人公はこのウォルトさん。
ゲイであるウォルト(ティム・ストリーター)が、ある日店にやってきた不法移民のメキシコ人少年(ダグ・クーヤティ)に一目惚れし彼と過ごす日々をモノクロの映像でスタイリッシュに綴った物語なんですね~。

英語も話せない少年に、色々にアプローチするウォルトですが、少年の方はホモのおっさん気持ち悪~ってなもんです。
結局はお金で少年を買うウォルトと、お金のためと割り切る少年。
懸命に愛しても、ウォルトの指の間をすりぬける少年。。やがて彼らに最悪の夜(マラノーチェ)が訪れることに‥。



どこか退廃的な世界観が心に残る、アーティスティックな映画でしたね。
美しいモノクロ映像が美しく、詩のついた写真集をめくっているような感覚にも陥ります。
ウォルトの店にやってくる客のじいちゃんたちも何語喋ってるんだかよくわからない、多国籍なムードも面白い。
ストーリーはあってないようなものなので、好みは別れるかもですが、きらりと才能を感じる作品ではあると思いますね。


★★★*☆