ダウト ~あるカトリック学校で~
2008年(アメリカ)監督:ジョン・パトリック・シャンリー出演:メリル・ストリープ/フィリップ・シーモア・ホフマン/エイミー・アダムス/ヴィオラ・デイヴィス アリス・ドラモンド/オードリー・ニーナン/スーザン・ブロンマート/キャリー・プレストン【ストーリー】前年のケネディ大統領の暗殺や公民権運動の高まりなど激動と変革の真っ只中にある1964年。ニューヨークのブロンクスにあるカトリック学校でも、厳格な校長シスター・アロイシアスに対し、進歩的で生徒の人望も篤いフリン神父はより開かれた校風にしていくべきとの持論を展開していた。そんなある日、新人教師のシスター・ジェイムズは学校で唯一の黒人生徒ドナルドを呼び出したフリン神父の不可解な行動に不審を抱きシスター・アロイシアスに相談する。シスター・アロイシアスは2人が“不適切な関係”にあるのではと疑い、フリン神父を厳しく問い詰める。■感想
黒く塗りつぶせ! アカデミー&インディペンデント・スピリット賞
60年代のカトリック学校を舞台に、進歩的な男性聖職者に対しある疑惑をかけ、執拗に追いつめていく様子を描く心理ドラマ。人気舞台劇の映画化だそうです。
メリル演じる校長は、とにかく色んなことに気付き過ぎ、自分の理想のままに学校を取り締まる厳しい教育者。
そんな息苦しい学校に新しい風を吹き込もうとするフリン神父は、メリルの鼻につく存在。
そんな息苦しい学校に新しい風を吹き込もうとするフリン神父は、メリルの鼻につく存在。
ある疑いから、神父を追いつめていく過程で、心証のみで動くメリル校長に対し、観るものは愚かさを感じるでしょう。
一方、ホフさん演じる温かみのある神父に同情し、疑惑が解明されることを望む訳です。
一方、ホフさん演じる温かみのある神父に同情し、疑惑が解明されることを望む訳です。
ところが終ってみればどうでしょう。疑惑は解明されたのか。。否。
私の中では、逆に疑惑が残ってしまったんですよね。
私の中では、逆に疑惑が残ってしまったんですよね。
「私は人を見ることが出来るのよ。」と語ったメリルの動物的な観察眼は確かだったのではないか。
明らかにメリルが間違っている、愚かだと思っていた私自身が
心証に動かされ、メリルに疑惑を向けていたのではないか、、そんなことを感じてしまいました。
明らかにメリルが間違っている、愚かだと思っていた私自身が
心証に動かされ、メリルに疑惑を向けていたのではないか、、そんなことを感じてしまいました。
人に疑惑を向けるものの心理、確証のないままに疑惑を大きくしていくことの末恐ろしさと滑稽さ
そんなものに気付かされた作品です。
そんなものに気付かされた作品です。
メリルもいいですが、やっぱりホフさんが曲者だわ~(*>∀<*)
イノセントで誠実に事実を見つめようとする若い教師。
エイミーの役柄は、見るものに心の整理を促す役割を果たしていたように思います。
エイミーの役柄は、見るものに心の整理を促す役割を果たしていたように思います。
結果が曖昧であることに物足りなさを感じる人もいるかもしれないけど、私は逆に面白かったな。
★★★★☆