欲望という名の電車
1951年(アメリカ)監督:エリア・カザン出演:ヴィヴィアン・リー/マーロン・ブランド/キム・ハンター/カール・マルデン ルディ・ボンド/ニック・デニス/ペグ・ヒリアス/ライト・キング/リチャード・ガリック■感想
ヴィヴィアン・リーが、こわれゆく女を演じ、アカデミー賞主演女優賞を獲得した作品です。
監督は『波止場』『エデンの東』のエリア・カザン。
【ストーリー】
南部の没落農園の娘ブランチは、全てを失い、ニュー・オーリンズの場末に所帯をもつ妹ステラを訪ねる。
工場で働く粗野なステラの夫スタンリーは、気位が高く虚構の世界に生きようとするブランチが気に入らず‥
南部の没落農園の娘ブランチは、全てを失い、ニュー・オーリンズの場末に所帯をもつ妹ステラを訪ねる。
工場で働く粗野なステラの夫スタンリーは、気位が高く虚構の世界に生きようとするブランチが気に入らず‥
ヴィヴィアン・リーの狂気の演技が凄まじかったですね。
もともと良家の生れで気位が高い、というのは『風とともに去りぬ』のスカーレットを思わせるところですが、
この作品のヴィヴィアンは実年齢で37、8歳かしら。凛とした美しさはなりを潜め、あぁ老けたなという印象。
もともと良家の生れで気位が高い、というのは『風とともに去りぬ』のスカーレットを思わせるところですが、
この作品のヴィヴィアンは実年齢で37、8歳かしら。凛とした美しさはなりを潜め、あぁ老けたなという印象。
多くのものを失った哀しみに、神経は衰弱。
そんな姉を妹ステラは、神経を逆立てないよう気を使いながら接するのですが、マーロン・ブランド演じる夫は、
ブランチを酷く嫌い、ボロボロになったブランチの心をさらに切り刻むかのように冷たく当たるんですね。
そんな姉を妹ステラは、神経を逆立てないよう気を使いながら接するのですが、マーロン・ブランド演じる夫は、
ブランチを酷く嫌い、ボロボロになったブランチの心をさらに切り刻むかのように冷たく当たるんですね。
とことんまでブランチを追いつめるスタンリーとのやり取りの生々しさと言ったら。
次第にズタズタになっていくブランチは痛々しく、
あの誇り高いヴィヴィアン・リーが、ここまで堕ちていく女を演じたことに、驚きましたねぇ。
次第にズタズタになっていくブランチは痛々しく、
あの誇り高いヴィヴィアン・リーが、ここまで堕ちていく女を演じたことに、驚きましたねぇ。
このたびお亡くなりになったカール・マルデンは、スタンリーの仕事仲間で、ブランチを好きになるミッチを演じてます。
気位の高いブランチを気に入る誠実一本やりの男かと思いきや、、
ブランチの素性が知れるや、結婚なんてとんでもないと彼女を卑下しながら、身体だけは求めようとする、、
まぁちょっと酷いと思うのだけど、男の本性をみせてくれて、これまたリアルです。
気位の高いブランチを気に入る誠実一本やりの男かと思いきや、、
ブランチの素性が知れるや、結婚なんてとんでもないと彼女を卑下しながら、身体だけは求めようとする、、
まぁちょっと酷いと思うのだけど、男の本性をみせてくれて、これまたリアルです。
この作品でヴィヴィアンが主演女優賞、ステラ役のキム・ハンターが助演女優賞、
ミッチ役のカール・マルデンが助演男優賞を獲得したのに、マーロンだけが主演男優賞を獲れなかったのはお気の毒。
対抗馬が強かったんですね。
ミッチ役のカール・マルデンが助演男優賞を獲得したのに、マーロンだけが主演男優賞を獲れなかったのはお気の毒。
対抗馬が強かったんですね。
緊張感溢れる中、人間の弱さをこれでもかと暴いていく、なんとも凄い作品でした。
★★★★*