しまんちゅシネマ

映画ノート

乱歩地獄


関連映画祭り 18本目!

本来ならば『蝿の王』に繋げるところですが
今日は『ジョニーは戦場へ行った』まで遡ってみました(笑)

というのも『ジョニーは~』のレビューの時に、お世話になってるmiskatonicさんに、江戸川乱歩の短編小説『芋虫』と類似性があることを教えていただいたから。
レンタルで観たのでちょっと間が開きましたが、ぜひともいっときたいので遅ればせながら。

ということで戦争で四肢を奪われた繋がり『芋虫』を収録した『乱歩地獄』でっす。
2005年(日本)監督:竹内スグル「火星の運河」   実相寺昭雄「鏡地獄」   佐藤寿保「芋虫」   カネコアツシ「蟲」出演:浅野忠信「火星の運河」&「鏡地獄」&「芋虫」&「蟲」   成宮寛貴「鏡地獄」   松田龍平「芋虫」   森山開次「火星の運河」他【ストーリー】「芋虫」――戦争で両手両足を失い胴体だけになった夫を献身的に世話する妻。しかし彼女は夫に屈折した欲望を抱く。そして、そんな夫婦を屋根裏で覗き見る一人の青年…。
乱歩地獄』は江戸川乱歩の未映像化作品である『火星の運河』『鏡地獄』『芋虫』『蟲』を、多彩な監督陣で映画化したオムニバス・ホラーです。

miskaさんに教えていただいてすぐにwikiで『芋虫』について調べたところ
戦争で両手両足、聴覚、味覚といった五感のほとんどを失い、ただ視覚と触覚のみが無事な夫を虐げて快感を得る妻の姿を描いたものとのこと。夫の設定が『ジョニーは戦場へ行った』と酷似してますよね。
こちらの方が『ジョニーは~』の原作小説よりも早く世に出てるので、アイディアを得たとしたらトランボの方ですねw

さて、映画ですが、小説の『芋虫』とは少し違った内容になっている気がします。
戦争で四肢を失い芋虫のように横たわる夫
そんな夫を虐げて快感を得る美しい妻(岡元夕紀子)。
グロとエロの世界のようですが、次第に夫をそんな姿にしたのは、実は妻の切実な思いからということが分って来ます。
狂気は究極の愛ゆえ。
そんな夫婦の営みを見つめる瞳、、と、ここで美しいものとして留めようと意図するものを二重の構造で描いているところが小説と違っているように思います。(小説は未見なのでwikiに描かれた内容と比較して、、ですが)
妻を演じた女優さんの美しさもあり、感覚的に楽しむ作品になっています。

個人的に面白かったのは『鏡地獄
鏡作りに取憑かれた美青年(成宮寛貴)の周りで起こる連続殺人事件を、明智小五郎浅野忠信)が追うというもの。
謎が解明されるストーリーとして完成していて、美しくミステリアスな成宮の狂気の演技も良かったです。



『火星の運河』は台詞もなく、正直まったくわかりません@@



★★★*☆