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映画ノート

スケアクロウ


1973年(米)監督:ジェリー・シャッツバーグ出演:ジーン・ハックマンアル・パチーノ/ドロシー・トリスタン/アイリーン・ブレナン/リチャード・リンチ   アン・ウェッジワース/ペネロープ・アレン/ルターニャ・アルダ【ストーリー】出所したばかりのマックスは、南カリフォルニアの道路で、同じくヒッチハイクをしていたライオンと知り合う。ライオンは5年ぶりに帰ってきた船員で、自分の居ない間に生まれた子供に会うため、妻のもとに向かう途中だという。意気投合した二人は、共に行動することにしたが……。

男の友情シリーズ第5弾!ハックマン&パチーノ『スケアクロウ

■感想
同じ道路でヒッチハイクをして、偶然知り合った二人の男が、ともに目的地を目指す過程で友情を深めていく様子をロードムービー風に描いた作品です。

ムショ帰りのいかつい男、マックスにジーン・ハックマン
5年前に生まれたはずの我が子に会うために、妻の元に向かう途中の船員上がりの道化者ライオンにアル・パチーノ



二人は間もなく意気投合し、マックスの「洗車屋を開く」という夢に向かって行動を共にします。

タイトルの「スケアクロウ」はかかしのこと。
かかしは、カラスを脅すために畑に立っているというのが普通の考え方であり、
スケアクロウと名付けられてる所以でもありますよね。

でもアルちゃん演じるライオンの説によれば、かかしはカラスを笑わせるためにいるんだとか。
笑わせてもらったカラスは、そのお礼に畑の農産物に手を出さないと言うのがライオンの持論であり、
彼の生き方そのものでもありました。

そんなライオンと行動をともにするうちに、マックスが変わっていきます。
粗野で人を信じることを知らなかったマックスが、初めて信頼することが出来たのがライオン。
でもライオンは、その道化の裏に切ない思いを抱えている男だったんですね。

デコボコな二人が、色々ありながらも、互いに足りない部分を補うように友情を深めていく姿がいいです。
最後は切なさの残る終わり方なのですが、
とことんライオンに惚れ込み、彼を守ろうとするマックスの一途な思いにも感動します。

ジーン・ハックマンが純粋でいいですね。

男の友情シリーズの締めくくりにピッタリの、グッとくる作品でした。
カンヌでパルム・ドールをとってますね。


★★★★*