しまんちゅシネマ

映画ノート

マリオン・ブリッジ(原題)


2002年(カナダ)監督:Wiebke Von Carolsfeld出演:モリー・パーカー/レベッカジェンキンス/ステイシー・スミス/エレン・ペイジ

今週の注目映画」で人気でしたシリーズ4本目 『マリオン・ブリッジ(原題)』

■感想
「ある出来事」をきっかけに、機能しなくなった家族が
終末期の母を看取るために集まったことをきっかけに、その再生に向け歩み始める様子を描いた
日本未公開のカナダの作品です。

トロントに暮らす3姉妹の末娘アグネスにモリー・パーカー
彼女はアルコールと麻薬中毒をどうにか抜け出た段階。

シニカルな長女テレサレベッカジェンキンス)は離婚した夫に今だに未練がある様子。
次女に至っては一日中TVを流し見し怠惰に過ごし、何にも興味を示すことができないといった風情。
姉妹のみならず、入院中の母親もアル中で、ベッドでも煙草を吸い、隠れて酒を飲む始末。



誰もが互いを思いやることが出来ない様子の家族の姿が、見ていてとても痛いんですが
その中で、3女のアグネスは、このドロドロを終らせたいと小さな決意を秘めているんですね。
というのも彼女が「ある出来事」に関わる超本人だから。。
彼女が家族に隠れて物陰から見つめる少女(エレン・ペイジ)。
どことなくアグネスに似ていて、少女がアグネスの娘であることは明らか
この少女の出生の秘密が家族の悲劇に繋がっていることも容易に想像できるところ。

家族の抱えて来たものが徐々に見えて来て
それぞれの気持ちがわかってくるところでは、泣けてしまいます。

でも、暗い辛いというだけではなく、適度にユーモアも交えてあるため観やすいものになってますね。
ラストも拍子抜けというか(笑)
あー、これまでの十数年間って何だったんだろう~って、唖然とする姉妹と一緒にちょっとポカンとしながら
なぜだか泣き笑いしてしまいました(笑)

タイトルのマリオン・ブリッジというのは、この土地に伝わるフォークソングのタイトルでもあるようです。

エンドロールに流れるその曲を歌っているのは、どうやらモリーら3姉妹のよう。これが清々しく感度的でした。

ドラマティックな解決をする映画ではないので、
ハリウッド映画に慣れた人が見ると物足りないと感じるかもしれません。

それでも巧みな心理描写と温かさで、心に沁みる作品でした。

国内外の映画祭で6つの賞を受賞、8つのノミネートを果たしてます。
日本でのDVDリリース希望!w



★★★★☆





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