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映画ノート

サイコ2


1983年(米)監督:リチャード・フランクリン出演:アンソニー・パーキンスヴェラ・マイルズ/メグ・ティリー/ヒュー・ギリン/ロバート・ロジアデニス・フランツ/ティム・メイアー【ストーリー】精神病院を退院し丘の上の館に戻って来たノーマンは社会復帰を果たそうとするが、そんな彼の前にまたしても“母”の影がまとわりつき始める……。

ハロウィン・ホラー祭り5本目 あれから22年『サイコ2』

■感想
サイコ』の続編、、と言ってもヒッチコックによるものではなく、監督はリチャード・フランクリン

モノクロの『サイコ』のシャワーシーンから始まる本作は、画面を裁判シーンに移し、あれから22年後という設定。
精神を病んでいたとの判決のもと不起訴となったノーマンは、精神病院を退院しついに丘の上の館に戻って来ます。

ノーマンを演じるのは、まさに設定通りの年月を経て歳をとったアンソニー・パーキンスですから
まるで違和感なく『サイコ』の世界に再び足を踏み入れることが出来ます。

館の淀んだ空気にワクワクw
社会復帰のためダイナーで働き始めるものの、オーダーのメモにまぎれ母からのメモ書きが!
母の影再びで、そうこうするうちまたしても血の惨劇が。

あー、ノーマンやっぱり~と思い始める頃
「メモ」や「母を名乗るものからの電話」がノーマンの妄想とばかりも思えない状況になり
あれれ、一体誰が犯人なの?と観るものを混乱させる作りが本作の面白いところ。



ノーマンの社会復帰をよく思わない被害者家族の存在などに翻弄され
混乱から徐々に狂気へと表情を変えていくアンソニー・パーキンスも実に不気味でお見事!なのです。

個人的にちょっと残念だったのは、ラストの展開。
「母からの電話」にきっちと謎解きを与える潔さはいいんだけど、
ノーマンの行動に理由付けが不足してると思うんですよね。
心理描写をちょっと入れてくれれば間違いなく拍手喝采で終われたんだけどな。

ノーマンの館に同居することになるダイナー仲間マリアを演じるのがメグ・ティリー
そのシャワーシーンがオリジナルを彷彿とさせるものだったり、ヒッチコックファンにも嬉しい演出満載。

オリジナルとは打って変わって静かで物悲しいジェリー・ゴールドスミスのスコアもいいですね。


★★★★☆