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映画ノート

ロマン・ポランスキーの吸血鬼


1967年(アメリカ/イギリス)監督:ロマン・ポランスキー出演:ロマン・ポランスキージャック・マッゴーランシャロン・テートアルフィー・バス/ファーディ・メインイアン・カリエ/テリー・ダウンズ/イーアン・クワリエ/フィオナ・ルイス【ストーリー】アブロンシウス教授は助手のアルフレッド(ポランスキー自演)を連れ、吸血鬼退治の旅の途中、トランシルバニアの片田舎の宿に一泊するが、主人の態度はすこぶる怪しい。助手は宿の娘サラに夢中になり、入浴するのを覗こうとかぎ穴から目を凝らすと、吸血鬼にさらわれていくところだった。後を追って二人は吸血鬼の城に向かうが‥

ハロウィン・ホラー祭り4本目 ポランスキーの『吸血鬼』

■感想
今年は『トワイライト』から火が付き、全米はヴァンパイア・ブームとなっています。
今時のヴァンパイアときたら、太陽光も怖くないし、にんにくも十字架だってへっちゃら。
弱点のないヴァンパイアなんて気の抜けたビールみたいだと思うんだけど、彼らには若さと美貌があるから良しでしょか。

さて、ただいま32年前の容疑で拘束中のロマン・ポランスキー監督がおイタをする10年前に撮った本作は
伝説をしっかりと網羅した典型的な吸血鬼を登場させています。

ただし、本作はホラーというよりも正統派をパロッたコメディですねw

しかもポランスキー自身が、ヴァンパイア研究の教授のお供として
トランシルバニアにヴァンパイア退治に出かける助手を演じてるから楽しい。

アインシュタイン風の教授(ジャック・マッゴーラン)とのコンビがオフビートで可笑しいですな。


二人が救出しようとする宿から攫われた美しい娘サラを演じたのが、その後ポランスキー夫人となって
妊娠中に殺害されたシャロン・テートなんですね~。
クールで奇麗な人なのに。。うーん、お気の毒。

映画としては怖さもないし、重みはもちろんないけど、
雪のお城の映像は目を楽しませてくれるし、気軽に楽しめる作品でした。
オチも良しですw



ところでこの作品の吸血鬼たちは古くからの伝統を踏襲してるタイプなんですが
吸血鬼の城で行われた舞踏会のシーン。吸血鬼は鏡に映らないというお約束に乗っ取り
大鏡に映るのは教授と助手とサラのみ。
これって今の技術ではなんでもないシーンだけど、CGなどないこの時代に
ポランスキーは演舞場をそっくりにコピーした部屋を用意し、鏡に映った3人も実はそっくりさんだったらしいです。
凝ってますね。

★★★*☆