しまんちゅシネマ

映画ノート

ブライアン・シンガーの トリック・オア・トリート

2008年(アメリカ/カナダ)
監督:マイケル・ドハティ
出演:ディラン・ベイカー/ロシェル・エイツ/レスリー・ビブローレン・リー・スミス/ターモー・ペニケット
ブリット・マッキリップ/ジャン=リュック・ビロドー/ブレット・ケリー/コナー・クリストファー・レヴィン
リチャード・ハーモン/クイン・ロード/アンナ・パキンブライアン・コックス

ハロウィン・ホラー祭り 3本目 葬られた傑作 『トリック・オア・トリート』

■感想
幻のハロウィン映画、ついにDVDになって登場です。

タイトルの「トリック・オア・トリート」というのは
ご存知のように、ハロウィンの夜、子供たちがお菓子をもらいに家々を訪ねる時の決まり文句ですね。
本作は、ハロウィンのテキサスの田舎町で起こるある戦慄の一夜の物語です。

ハロウィンというのは、そもそもは死者の霊を慰めるなどの意味合いを持つものなんですね。

カボチャをくりぬいて作るジャックオーランタンは、天国に行くことも地獄に行くことも許されず暗闇を漂う霊を
哀れに思い、悪魔が持たせた灯りなのだとか。
ハロウィンの夜にランタンの灯を消すと不吉なことが起こる‥らしいですが
映画の冒頭、一人の女性がこのランタンの灯を消してしまいます。
それを見つめるある視線。そして闇に生きる邪悪なものたちが目を覚ますことに(恐)

ハロウィンの主役、ドラキュラや狼人間はいいとして
何たって怖いのは、思いを残して死んでいった人びとの霊ですわ~(*>∀<*)



んもう勘弁して~の怖さでした。
これからハロウィンで子供たちを迎えなくちゃいけないのに、どうするの~^^;
でもブラックな笑いあり、ちょっとしたセクシーあり。
時間軸を前後させた構成も見事で、実に良く出来た作品なのです。

本作はそもそも2007年のハロウィン向けに製作されたらしいのですが
諸事情(『ソウIV』と対決したくなかったとか『スーパーマンリターン』(監督&制作者コンビ)の失敗など)により
なぜだか世に出るきっかけを失ったらしい。
いくつかのハロウィン映画祭に出品されただけで、正式に劇場公開されないままDVDスルーになっちゃったらしいんですね。
全く惜しい。
でもかえって話題となって、Jカーペンターの『ハロウィン』の座を奪う、ハロウィン映画のレジェンドになりそうです!



因にポスターのキャラクター、映画を観終えた時に、こやつが何者なのか分からなかったんですよね。
で、偶然目にした監督へのインタビュー記事によると、
彼はハロウィンの夜を見守るスピリチュアルな存在なんだそうです。
クリスマスのサンタクロース、イースターのバニーみたいなもので、マスコット的存在と説明してました。
ちなみにアニメからのキャラでサムといいう名前もあるらしいですよ。
ただ、マスコット的とは言っても、このサムくん、映画の中ではかなり怖いんですけどね。。。

とにかくアメリカでも話題沸騰で、ロットントマトも100%、米ヤフーの評価もA-
この手のホラー映画では異例の高評価なんです。

日本でも今月にDVD発売!必見ですよ。

関係ないけど、、邦題「ブライアン・シンガーの」って頭に付くのダサくないですか?(゚Д゚)ノ


★★★★*