しまんちゅシネマ

映画ノート

ロング・グッドバイ


1973年(米)
監督:ロバート・アルトマン
出演:エリオット・グールド/ニーナ・ヴァン・パラント・スターリング・ヘイドン・ジム・バウトン

■感想
さて、今月のメインイベント世界の巨匠シリーズに突入します。
最初はちょい苦手意識があったロバート・アルトマン
こんな面白い作品撮る人だったのね~(≧∀≦)
 
レイモンド・チャンドラー原作『長いお別れ』の異色映画化・・・
 
原作のハードボイルド小説を知らないのだけど、
これまでに主人公の探偵フィリップ・マーロウを演じた面々を調べてみると
中でもケーリー・グラントが一番原作のキャラに近いと原作者が言ってることを思うと
本作でマーロウを演じたエリオット・グールドは原作のイメージとは違うんでしょうねw
 
でもグールドのマーロウ最高!! (^-^〃)♪
 
ハードボイルド小説の探偵なのに、飄々としてオフビートな可笑しさを醸してる
探偵なのに猫を飼ってる。
しかもグルメな猫はお気に入りのブランドのキャットフードしか食べない。
仕方なくコンビ二にキャットフードを買いにいくマーロウ。
さて、事件はその夜起きた。
古くからの友人が慌てた様子でマーロウを訪ね、マーロウは友人の頼みを聞いて車を走らせる。
後にその友人が妻殺しの犯人として指名手配され、マーロウは逃走を助けた罪で逮捕されるが
事件は友人の自殺で片がつき、マーロウは釈放された。
友の犯行を信じられないでいる彼は、別件の捜査をきっかけに、
金にからむ陰謀に巻き込まれることに・・・
 
夜中にキャットフードを買いにいくくだりから笑いが止まりません(≧∀≦)
夜中の3時だというのにちゃんとネクタイを締めて出かける、変なところが几帳面w
しかもネクタイへのこだわりは随所に見えるのも可笑しい。
警察で取調べを受けながら指紋を取られてインクのついたて指で顔を真っ黒にするところとか、
窓越しに会話しながら鼻をぺちゃっと窓ガラスに貼り付けてるところとかw
もう、なんで~という笑い満載で、久々にギャハギャハと笑ってしまった~。
 
何があってもIt OK with me.
マーロウを演じたエリオット・グールドの飄々とした演技が最高!
 
中流れる「ロンググッドバイ」の物悲しいテーマ曲は、マーロウの可笑しさとは
相反するものに感じるけど、マーロウに孤独な哀愁を与え、これがいけてる。
ラストの彼の行動に驚くものの、猫をこよなく愛した彼の様子が複線となり納得できるんだな。
ラストシーン、確かに『第三の男』のオマージュを感じますね。いい!!