しまんちゅシネマ

映画ノート

吸血鬼ノスフェラトゥ


1978年(西ドイツ/フランス)
出演:イザベル・アジャーニ/クラウス・キンスキー/ブルーノ・ガンツ/ローランド・トパー

■感想
巨匠シリーズ2日目の今日は、昨日に引き続いてアルトマンのはずだったのだけど
『ボウイ&キーチ』を観ていたら、ラストが切れてた^^; 録画ミスですなぁ。
なので予定変更でドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォークへと移っちゃう。
ヘルツォーク一本目は、こちらでも最近ようやくDVDになった『吸血鬼ノスフェラトゥ
F・W・ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』(22)のリメイクとあって、内容的にはほぼ同じ
 
勿論ムルナウ版がサイレントだったのを意識したのか
本作も台詞が少なく絵で見せるシーンが多い。古い時代の雰囲気も良いです。
 
中世ドイツのブレーメンに住む不動産業者ジョナサンを演じるのはブルーノ・ガンツ
ジョナサンはトランシルヴァニアのドラキュラ伯爵から新しい邸を買いたいという仕事を請け
勘の強い妻ルーシー(イザベル・アジャーニ)がとめるのをきかず、長い旅に出る。
 
途中出会う村人もジプシーたちも、魔物が棲むと恐れ近づかない館にようやくたどり着くと
そこには世にも恐ろしい風貌のドラキュラ伯爵(クラウス・キンスキー)が待っていた!
キンスキーのドラキュラも独特な雰囲気を醸しますね。
ルーシーの写真を見たドラキュラは、その美しい首筋に一目ぼれw
ジョナサンを残し、船でブルーメンへと向かうわけですが、そのときにペスト菌も運んじゃうんですね~。
ブルーメンの街にネズミが溢れ、やがて棺おけの行列が出来る
これを高い位置から捕らえる映像に漂う終末観といったら。
 
個人的にはドラキュラ対決で言えば人間離れした風貌のムルナウ版のシュレックさんが怖かったですが
ルーシー対決ではこちらの勝ち(笑)
悪夢から目覚め恐怖におののくアジャーニの顔が怖い!でも美しい。
ルーシーを襲うドラキュラが、何故かルーシーのスカートを捲り上げ
何気にエロが漂う感じもいいですよね(笑)
 
おかしなせむし男にも、ガンツさんの最後の顔にも笑ってしまったのだけど
どっしりとした風格とコミカルさとの入り混じる、不思議テイストのホラーに仕上がってました。
 
こうしてドラキュラの孤独は永遠に続くというラストもいいよね。