しまんちゅシネマ

映画ノート

勝利への旅立ち


1986年(米)
監督:デヴィッド・アンスポー
出演:ジーン・ハックマン/バーバラ・ハーシー/デニス・ホッパー/シェブ・ウーリー/ファーン・パーソンズ 


■感想
デニス・ホッパー追悼! 10本目
ホッパーさん特集最後の作品、何にしようかと悩みましたが
アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた本作をチョイス。

ホッパーさんの主な賞暦としては『イージー・ライダー』がカンヌで新人監督賞アカデミー脚本賞にノミネート
ブルーベルベット』がGG助演男優賞ノミネートインディペンデント・スピリット賞では主演男優賞(!)にノミネート(笑)されてますが、演技でアカデミー賞ノミネートとなったのは本作のみなんですね。
あ、『ウォーター・ワールド』ではラジー賞ワースト助演男優賞受賞してますがw
 
さて、本作は田舎町の高校バスケット・チームが
ジーン・ハックマン演じるわけありコーチを迎え入れ、州大会にまで駒を進める様子を描くスポーツもの。
ルディ/涙のウィニング・ラン』のデヴィッド・アンスポーの初監督作品になります。

スポ根ものに最も遠いだろうと思われるホッパーさん、どんな役なの?と思いきや
選手の一人のアル中の父親ということで、やっぱりはまり役でした(笑)
 
この作品、選手自体よりもむしろその周辺の人々をしっかり描いてるのが面白いところで
ホッパーさんの役柄についても、飲んだクレの父を持つ選手の葛藤とかはあっさりめで
アル中オヤジの再生といったサブストーリーに力を注いでいます。
ワケありコーチ、ハックマンについても、その成長とプチラブストーリーがらみ
新しいものを好まない閉鎖的な地域住民が、バスケの応援を通し心を開いていくお話でもあります。
 
願わくば、やはり選手の気持ちにももっと入り込んで欲しかった気がしますね。
ホッパーと息子との親子愛は観てて気持ちよいものの
高校生であんな出来た息子はなかなかいないっしょ。息子の気持ちにひと山あるのが普通ってもの・・・
 

それでも、生徒が60人にも満たない小さな高校チームが州大会を勝ち進んでいく様子は
スポーツもの特有の爽快感があり感動。
選手を信じ、自分を信じ、情熱を持ち続けるハックマンの熱血漢振りにも良かった。
ジェリー・ゴールドスミスの音楽も作品を盛り立てました。