しまんちゅシネマ

映画ノート

ザ・タウン


 
2010年(アメリカ)
監督:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレックレベッカ・ホールジョン・ハムジェレミー・レナーピート・ポスルスウェイトクリス・クーパー
 
■感想
先週初登場一位の興行を叩き出したベン・アフレック監督/主演のクライムサスペンスです。
現段階でトマトメーター94% 
初監督作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』はまぐれ当たりでなかったことを証明し
監督としてのベン・アフレックに注目が集まっています。
 
冒頭、いきなり銀行強盗で幕を開ける本作、
鮮やかな連係プレーで、証拠となるものを次々に処分し
誰も傷つけることなく、立ち去る。それが彼らのポリシー。
 
ところがこの日は予定が狂った。
気の短い仲間の一人がはむかう行員に暴行を加え
逃走の安全を期すために女子行員クレアを人質にとることになる。
人質はまもなく解放するが、FBIの執拗な捜査が始まる
ダグは素性を隠したまま、クレアに近づき探りを入れる
何かが狂い始めた・・・
 
ゴーン・ベイビー・ゴーン』に続いて、今回も舞台はボストンなんですね。
犯罪が溢れる街チャールストン
犯罪者を親に持つ子供は、いつしか犯罪に身を染める、悪の連鎖が止まらない
 
主人公ダグ(ベン・アフレック)も例外ではなく
仲間も同じような境遇で生きてきた同士、それだけに連携は深い。
そして、街へのしがらみも大きいんだよね。

前回の『ソニー』と共通点を感じたのは、
ソニーもダグも街に囚われ、身を落とした男だったという点。
ダグはこの街とどのような決着を付けるのか。


この映画の見所は銀行強盗の緊張感と、狭い街を舞台にしたカーチェイス
迫り来るFBIの捜査網
次第に魅かれあうダグとクレア(レベッカ・ホール)のロマンスもいいのよ。
彼らの恋の結末も意外性があって面白い。ベンアフは脚本も出来るのが強みだよな
 
共演者も渋いところを揃えていて、
ダグの父親にクリス・クーパーFBI捜査官にテレビで活躍のジョン・ハム
町の花屋を装ってるが、実は犯罪を牛耳る男にピート・ポスルスウェイト
銀行強盗仲間の一人を演じるジェレミー・レナーの危ない演技が緊張感を高める。
 
ラストのクールさには賛否両論かもしれない。
勿論映画としては面白いし、ベンの故郷への思いも伝わるところでした。
けど、心情としてクールなベンアフよりも、情けないフランコ君に軍配を上げたいのは私だけかな。
 
とはいえ、今年一番と評価する人がいるのも頷ける
緊張感溢れる秀逸なクライム・サスペンスに仕上がってますよ。
ベン・アフやるじゃん!な一本でした。