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映画ノート

眺めのいい男 ジェームズ・フランコ 『SONNY ソニー』


 
2002年(アメリカ)
監督:ニコラス・ケイジ
出演:ジェームズ・フランコ/ブレンダ・ブレシン/ハリー・ディーン・スタントンミーナ・スヴァーリ/ジョシー・デイヴィス/ニコラス・ケイジ
【ストーリー】
軍を除隊した青年ソニーは故郷ニューオリンズに帰ってきた。彼はかつて、娼館を営む母ジュエルに男娼としての教育をたたき込まれ、その端正な容貌と才能で歓楽街では“伝説”の男娼になっていた。そんなソニーを温かく迎え、さっそく仕事復帰を勧めるジュエル。ところが母の意に反し、ソニーは売春の世界から足を洗うことを決意していた。
眺めのいい男特集 9本目! ジェームズ・フランコ
■感想
ニコラス・ケイジ初監督作品ということで、大きな期待もなしに観たのだけど 何の何の!
これ良かったわ~。
 
フランコ君が演じるのは、母親の営む娼館で男娼をしている青年ソニー
眺めの良い甘いマスクで、ナチュラル・ボーン・男娼といわれる程のテクニックを有すというのだから
おばちゃまたちはイチコロです。
って、そういう話じゃなく^^;
 
入隊により、一度その仕事を離れた彼は もう男娼には戻らないと決めていた。
でも母親が許さない。
そしてまたもとの木阿弥。。
そんな自分がどうしようもなく腹立たしい。
・・・
やめればいいじゃん!
そう言いたくなるけど それが出来ないのは
彼が自分のアイデンティティを見失った青年だったからだと思う。
 
自分の正体も、自分の可能性も やりたいことさえわからない
母親がそうさせたのかもしれないけど
父親さえわからない 環境によるものも大きかったのかもしれない。

ミーナ・スヴァーリが演じた若い娼婦キャロルは、
ソニーの心を写す合わせ鏡のような存在でしたね。
もがいてもがいて、そしてついに街から飛び出そうとするキャロルに感動
そしてその分虚しさが残るという・・・ラストもたまりません。
 
フランコ君はこの役をやるのに、本物の男娼について回って、
お仕事中のホテルのお部屋にまで入ってお勉強したらしいですよw

母親を演じたブレンダ・ブレシンは、子供に頼らず自分がしっかりしろよ!といいたくなる役が嵌り過ぎ
ハリー・ディーン・スタントンとのドラマも良かった。
 
ユーモラスなシーンもあり、どこか飄々とした仕上がりなのも面白いですね。
ニコラス君はあまり記憶に残らないB級映画にばかり出てないで(『キック・アス』は良かったけどw)
こういう映画もっと撮って欲しいとマジで思いましたよ。
 
奇しくも今日観たベンアフの『The Town』とテーマが似てました。
そのことはまた明日語ります。