しまんちゅシネマ

映画ノート

ブロードキャスト・ニュース


 
1987年(アメリカ)
監督:ジェームズ・L・ブルックス
出演:ウィリアム・ハートホリー・ハンターアルバート・ブルックス/ロバート・プロスキー/ロイス・チャイルズジョーン・キューザック
 
■感想
ブロードキャストセンターの裏側を描きつつ、そこに働く人々の奮闘振りを描いた秀作ドラマです。
 
主演のホリー・ハンターはワシントンTV局報道センターの敏腕プロデューサー
ニュースライター兼レポーターのアルバート・ブルックスと絶妙のコンビで
バリバリの仕事をこなし、まさにバディといったところ。

そこに地方局からやってくるのが、ウィリアム・ハートなんだけど
あらら、この頃はなかなかの男前!
見栄えのよさもあり、いつのまにやら大事なニュースを任されることになり
ホリーのプロデュースで見事に大役を果すんだね。

このシーンなんて、緊迫の生放送の報道の様子が描かれていて本当に面白い。
プロデューサーは次々に情報を得て、アンカーマンに伝え
アンカーマンは、喋りながらプロデューサーの指示を聞き、ニュースを纏め上げる。
聖徳太子並ですよ。 私なら「うるさーーい!」って怒鳴っちゃいそうですがw
 
チーム一体になって満足のいく報道ができたときの達成感が伝わるシーンの心地よいこと。
けれど、ホリーとウィリアムのコンビがうまく起動すれば
面白くないのはアルバート・ブルックス
しかも彼はホリーを女性としても愛してたんですね~。

いきなりやってきてホリーの心を奪うウィリアム・ハートブルックスは苛立ち
ウィリアムの方はホリーとブルックスの信頼関係の深さを嫉妬する
ちょっとした三角関係ということになるんだけど
この作品、恋愛ものとしては、変わった展開を見せますね。
そして、ほろ苦いんだけど爽やかな気分になるラストも絶妙です。
 
何でも自分の思うようにことを進めないと気がすまないジェニー(ホリー)が
最後に仕切り屋の自分をふと戒めようとする。。でもやっぱり仕切っちゃう
なんていう演出も微笑ましい。
この映画でのホリーは自分に正直なヒロインを魅力的に演じていて、凄くいいです。
ウィリアム・ハートも仕事のできる野心家で、一見いいヤツ、でもちょいと腹黒いのか?と思わせる
中間色な感じが流石にうまい。

監督は『愛と追憶の日々』『恋愛小説家』のジェームズ・L・ブルックス
群像劇的に脇役の個性も生かされた演出に
監督の洞察力の深さと優しさを感じる作品でもありました。
ベテランキャスターとしてジャック・ニコルソンが友情出演しています。