しまんちゅシネマ

映画ノート

大脱走


 
1963年(米)
監督:ジョン・スタージェス
出演:スティーヴ・マックィーンジェームズ・ガーナーリチャード・アッテンボロージェームズ・コバーンチャールズ・ブロンソン
■感想
今週は特集を離れ、気になっていた映画などを観ていくことにしました。
 
これね、大昔に観た筈で、シーンのところどころは確かに覚えてるのだけど
映画全体をちゃんと捉えてない作品。
多分当時は、戦争のことも分かってない状態で観たんだと思います。
今回見直して本当に良かった。聞きしに勝る大傑作でしたね。
 
無知の友wikiによると、第二次世界大戦中に、ドイツ空軍の管理する連合軍の航空兵捕虜収容所から
捕虜が集団脱走した史実を映画化したものだとか。
 
ご存知の通り、捕虜の航空兵たちが、収容所から長いトンネルを掘って脱出するわけなんですが
これが驚くほどの大プロジェクト!w
まずは、準備から万端で、それぞれの特技を生かした共同作業が楽しい。
マックィーン演じるヒルツは過去に脱走を17回も試みたつわもので
独房行きも恐れず、何度も挑戦する姿は『パピヨン』を彷彿とさせる
飄々と、意思を貫き通す一匹狼的存在でありながら、責任感が強く
皆を助けようとする男気には、今更ながら惚れちまいますがな。

捕虜が連合軍であるところも面白いよね。
それぞれの気質が違うし、帰るところも違う。
収容所といっても、ユダヤ人収容所などとは違う
ドイツ軍の管理化にはあるけど、ある程度リスペクトされた部分があって
コミュニティとしてちゃんと機能してる。
アメリカの独立記念日にマックィーンがジャガイモからお酒を作って、皆に振舞るまうシーンがあるけど
捕虜の殆どはイギリス人なわけで
イギリスからの独立を祝うお酒を、イギリス兵に振舞うことの皮肉もピリッと効いて面白い。
 


テーマ曲がまたワクワクさせてくれますね。
ついニマニマと笑ってしまう、意外にも楽しい前半だけど
ついにトンネルが完成し、大脱走が始まると、緊張は一気に高まる。
 
 
逃走シーンのアクションは、役者それぞれ生身で演じてたんだろうか


バイクで爆走するマックィーンのカッコいいこと!
CGのない時代だからこそ、アクションシーンに冷や冷やするし
有刺鉄線に絡まる捨て身とも思える役者の姿に感動もする。
 
何度も独房に舞い戻るヒルツに、しまいには尊敬のまなざしか、と思える視線を向けるドイツ兵の独房係
こういう演出もたまらなく好き。
 
3時間という時間を全く感じさせない、まさに大エンターテインメント。
オールスターキャストの面々もそれぞれに見せ場を作ってくれる
普及の名作と言われる意味をようやく知った、5周年スペシャルな一本でした。
 
映画って本当にいいですねって思わず言いたくなります。
すんばらしい~。